Jun さんの感想・評価
3.7
物語 : 3.5
作画 : 3.5
声優 : 3.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
復讐劇から離れ、御都合主義の幸せに浸った
序盤、お母さんが処刑されるとこまで締まってよかった。数話しかないお母さんとその義父の演技は最後までこの作品に背景色をつける。
10歳から努力をし続け18歳にまで成長した、この少女には母を殺したもの(伝統、掟、旧体制)にしっかりと復讐してほしい、という気持ちで応援し続けたのだが。
風景は抽象化されているし、人間キャラは子供っぽいデザインだけど、動植物のデザインはアリ、蜜蜂から大蜥蜴、王獣までしっかり描かれている。ただ王獣が大蜥蜴を狩るシーンや交尾のシーンは極端に抽象化されている。もっと自由に表現すれば物語の趣旨に合ったと思うのだが。
編集と演出が説明重視で、昔見た世界名作劇場みたいだった。10歳以下の子供にはわかりやすくていいかもしれないが。
ラストの展開が50話を締め括るには物足りない。キャラ総出で「新しい時代の夜明けが来る」、と頑張ってはいる。ただ新しい権力構造は“大罪”に対して何らかの回答を用意していない。ちっちゃいかごから出たら少し大きな籠の中だった。この少女には、“封印された墓所でバイオコンピュータと戦った少女”と同じくらいのポテンシャルはあったのに。
その昔、こんな社会はダメだと突っ張って何十年か頑張り振り返ってみると、結局御都合主義の幸せに浸っていることに気付く、そういう視聴者にはちょうど良い適当な話なのだろう。