イムラ さんの感想・評価
4.6
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
噛みそうなタイトル
<2019/12/16 初投稿>
原作は漆原友紀さんの漫画。
たぶん全部読んでます(例によってうろ覚え)
アニメも本放送で観てました。
独特ですよねえ。
まさにオンリーワン。
時は明治初頭でしょうか?
舞台は概ね山の中か海辺なのですが、衣服風俗風習が江戸時代のそれ。
みんなヨレヨレの着物着てるし。
生業はほとんど農業と漁業だし。
庄屋というか名主みたいな人も出てくるし。
でも主人公のギンコだけは洋装なんですよね。
ギンコは白髪で緑眼、飄々としながらも尋常でない空気感を纏う青年です。
薬箱を担いで山間の村を廻る彼は、でも薬屋ではなく、
職業は「蟲師(むしし)」
「蟲師」とは「蟲」を専門に扱うお医者さんみたいなもの。
そして「蟲」とは・・・ありのまま書くとネタバレになるのですが。
普通、虫といえば昆虫ですがそういうものではなく。
呪術で蟲と言えば「蠱毒」「蟲術」「蟲道」とかありますがそういうのでもなく。
妖怪とか霊とかそうした怪異じみたものでもなく。
もっとこう{netabare}「生命の根源」{/netabare}のようなもの、というなんとも不思議な存在です。
この物語は、
「蟲師のギンコ」が「蟲」と「蟲に魅入られた人」や「蟲に囚われた人」などに出会い、
人の哀しさに遣る瀬無い思いをしたり、
自然の冷酷さに打ちのめされたり、
ささやかな優しさや温もりに触れたり、
時に命の在り方を考えてしまったり、
そういうお話。
普通の妖怪ものとはちょっと違う不思議で、目と心に優しい緑で彩られた世界を感じたい、という方にお勧めしたい作品です。