たわし(爆豪) さんの感想・評価
3.2
物語 : 2.5
作画 : 3.5
声優 : 3.0
音楽 : 4.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
「青春劇」として弱い
脚本家があの「コードギアス」の大河内一楼さんだということで、かなりひねった内容になるのかと思っていましたが、正直「青春劇」としてみるにはかなり弱いと思いました。
まず、キャラクターの背景や仕草などに気を配ってはおらず、お座なりな「悩み」や「葛藤」だけが前面に出て深掘りをしていないことが気にかかりました。
昔の実写映画の方は正直観た事ないので比べられませんが、6人の男女が7日間ひとつ屋根の下で暮らしている設定なので、「関係性」を練るには絶好のシチュエーションのはずが、うまくいっておらず、かといって「大人」との対立構図も非常に薄いので全く心に響かなかったです。
これは作画や演出の問題ではなく、脚本の問題だと感じました。脚本の段階で登場キャラクターの普段の様子や日常の行動を追えていないので、結果的にラスト付近の6人の「真実」や大人との「決着」も観ていて感情移入できないほど、唐突な展開であり、現代の「悩み」を浮き立たせてはいますが、失敗していたように感じました。
大河内さんはベテランのはずなので、こういう脚本のミスはしないと思っていましたが、少し今回はがっかりしました。
良かったことといえば、終盤に出てくる宮沢りえが演じるキャラクターが味のある良い女性として描かれていたことでしょうか。それ以上の驚きがなかった気がします。