ウェスタンガール さんの感想・評価
4.6
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 5.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
POV、友利奈緒の場合…。
最近、ファインダーを覗かなくなった。動画も写真もスマホで済ませてしまうからだ。
友利奈緒はハンディカムにこだわる。
ドキュメンタリー映像が真骨頂を発揮するのはPOV(Point of View Shot)、すなわち一人称視点映像においてだ。
彼女は自らの信念に従い、ファインダーを通して能力者の内面を見ようとする。
そして、自身の能力である“不可視”を発揮できるのは対象者のみ。
第三者から見ればただの暴君である。
そう、誰からも理解されない非常に孤独な観察者なのだ。
そんな彼女がファインダーではなく、感情というフィルターを通して乙坂有宇に接してゆく中、ドラマは動き出す。
“AB”では、その演出に、良くも悪くも“クラナド”に対する意識が見え隠れし、時にウェットに過ぎるように感じることもあった。
もちろんそれは、“AB”の良さでもある訳だが。
ところがシャーロットに於いては、そう、吹っ切れた感じがするのだ。
どちらと言えば、DCやマーベルのような、ドライブ感のある作品に仕上がっている。
それでいて、特殊能力を“思春期の病”とする事で、青春学園物に収めることに成功しているところが良い。
もちろん麻枝節も絶好調ではあるが、プロットを最大限利用して畳み掛ける展開は痛快である。
人によれば、走り過ぎと感じるかも知れないが、それでこそPAワークス、滑っても転んでも、ゴールを駆け抜ける潔さが好きだ。
ネタバレは一切するつもりは無いが、乙坂くん、ルルーシュになったり、一方さんになったり…。
最後に今一度使われるハンディカムが良い味を出していることを付け加えておこう。