タック二階堂 さんの感想・評価
3.6
物語 : 4.0
作画 : 3.0
声優 : 4.5
音楽 : 3.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
せっかく面白いのにBL要素が…
詳細は公式でも。
NHKで2004年ごろに放送されていた作品ですね。
原作はいわゆる「㋮シリーズ」と呼ばれる異世界
転移モノで、野球好きな渋谷有利は転生した先で
㋮王になりますよというお話です。
さすがNHKだけあって、とにかく長い。
1シーズンだけでも39話という通常の3クール分に
なりますね。
ストーリー展開は、しっかり丁寧に作られている
だけあって面白いです。
ただ、序盤に有利が誤解からヴォルフラムに
求婚したことになってしまい、婚約者になると
いうBL展開。この設定、必要あったのかしら……。
大きく、いくつかのイベントがあり、それを
有利が㋮王に変身することで一気に解決すると
いうパターンで、これは時代劇(水戸黄門とか
遠山の金さん的な)チックで、わかりやすいと
言えばわかりやすいです。最後の切り札で
一件落着という感じ。
終盤、30話を越えたあたりから目的が明確に
なってきます。いわゆる「禁忌の4つの箱」を
集め、安全に管理するということ。それを狙う
大シマロンを阻止するということです。
この終盤の展開は非常に面白いです。
側近であり、名付け親であるコンラッドが、
大シマロン軍に急襲され、左腕を切り落とされて
命を落とすけど……眞王によって命を救われ、
大シマロン軍に寝返るという展開。
また、地球の同級生・村田が、実はいにしえの
大賢者・猊下であったというトンデモ展開。
ただ、これもまあ無理がない設定に仕上げて
あります。
とにかく有利が弱々系主人公。そして、馬鹿が
つくほどのお人好しで、敵対勢力の首領ですら
命を取らないという博愛主義。これが中盤くらい
本当にイライラします。特に小シマロンの
マキシーン(刈りポニ)。トドメを刺さずに
助けるため、何度も有利たちに襲いかかって
くるという。
ほどよくギャグコメディが散りばめられ、
しかも長いためにきちんとキャラを深堀りし、
飽きさせない展開。序盤こそ、決して上手とは
言えない作画も、終盤に行くにつれてキレイに
なっていきます。
ぱっと器だけ見ると、ゴリゴリのBLに見えますが
観てみると楽しめる作品だと思いますよ。