レオン博士 さんの感想・評価
4.2
物語 : 4.5
作画 : 2.5
声優 : 5.0
音楽 : 4.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
薬草やポーションを99個ストックする派
【紹介】
もはや毎期必ず1枠は確保されている定番になりつつあるチート能力を持った最強主人公が異世界で暴れる系アニメです。
【シナリオ】
今回は、滅茶苦茶強いけど、あり得ないくらい慎重すぎる勇者という設定。
いや、その設定があり得ないわー
でも、設定はあり得ないけど、かなり面白い。
主人公強すぎるから緊張感とか全くないけど、ギャグアニメとして面白い。
それに主人公の気持ちも「ないわー」って思うものも多いが結構「あるある」って同意できるところもある。
たぶんRPGゲームをやったことがある人なら結構同意できるところもあるんじゃないでしょうか?
例えば推奨レベル10なのに15くらいまで過剰にレベル上げしてからじゃないと先に進まないプレイヤー。
例えばダンジョンに行く前にやくそうや毒消し草を使いきれないくらい買い込まないと気が済まないプレイヤー。どうせホイミ覚えたらほとんど薬草など使わなくなるというのに。わかっていてもやめられない。
末期症状なプレイヤーは99個になるまで備蓄しないと落ち着かない。1個しかないアイテムなんぞ怖くて使えない。RPGあるあるです。これをRPG用語で「エリクサー病」あるいは「ラストエリクサー症候群」と言います。
大層な名前ついてますが、要はただの貧乏性。
だが、これが厄介で、どんな難病よりも治療が難しい不治の病だったりします。厄介です。
話が脱線しました。
SAOのようなゲームオーバー=死につながるのならば、私だって恐らくLV99になるまで必死にスライムを狩り続けてから冒険に出るだろう。だって死にたくないじゃん。
勇者ってマジメで正義感の塊で仲間思いで逆境に強くてっていう固定概念があるけど、その勇者の定型から外れまくったのが今回の主人公だ。
どれくらい外れてるかと言うと、例えば以下のようなお願いをされたとする。
「勇者様、私のお父さんを助けてください!」
はい
>いいえ
あなたはこの場面で「いいえ」を選びたくなったことはないでしょうか?
そう、普通なら絶対「はい」を選ばざるをえないような展開でもついつい「いいえ」を選びたくなる私のようなひねくれものには、この主人公のマイペースさはなかなか見ていて爽快なのです。
とにかくファンタジー系アニメの王道展開をことごとくぶち壊すところは見ていて爽快感さえ感じさせられる。
私はRPGが好きなので、こういう不真面目な勇者プレイをゲームでやってみたいなと見ていて思いました。
そして、「はい」を選ばないと話が進まない展開で「いいえ」を選ぶことのおかしさをこのアニメはよく表現しているなと思いました。
【作画】
作画がかなり不安定で、間に合っていないためなのか、2話を2週連続で放送したり、EDアニメがなくて真っ白背景だったりなかなか自転車操業な低予算アニメっぽいが、もしかしてそれすらもわざとなのか?と思ってしまう。
【総評】
いいギャグアニメだと思いました。
これは、「勇者」という固定概念への挑戦でしょう。