薄雪草 さんの感想・評価
4.4
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
上塗りの嘘、下地の真心。
嘘は、人の心を欺き、自分の心を穢してしまう。
あの人の真心も、あの人への真心も、奈落へと突き落としてしまう。
ポッカリとあいた穴に、落ちていく真心。
真心は、何処に行くの?
みんな仲よしの超平和バスターズだったんだよ。
めんまは「のけもん」なんかじゃなかったよ。
どこに隠れても、見つけ出してくれる5人がいつだっていたんだもの。
でも、めんまが「除け者」になっちゃったあの夏。
あの日からずっと、5人は同じ時を過ごしている。
あの日。
作意が、超平和バスターズに持ち込まれたんだ。
その場逃れ。愛想笑い。
冷える空気。ばらけていく絆。
明日になれば、謝れるはずだった。
喉元を過ぎれば、熱さを忘れられるはずだった。
なのに、どうして、苦さが消えないんだろう。
どうしたら、苦しさから、逃れられるんだろう。
真心は、どう表わせば、良かったんだろう。
~ ~ ~
「のけものじゃない」と言ったじんたんの目に、ホッと安堵しているめんまの笑顔が焼きついている。
「のけものじゃない」と言ったじんたんは、彼女を「のけもの」にすることなんてできっこないんだ。
じんたんの真心の中心には、めんまがいるんだもの。
いなくなっためんまの真心が、今だってあるんだもの。
じんたんは「鬱ぎ続けるモノ」
あなるは「流されるモノ」
ぽっぽは「逃げ回るモノ」
ゆきあつは「慙愧を懼れるモノ」
つるこは「浮かばれないモノ」
みんな、「夏のケモノ」に囚われている。
めんまの真心を「除け者」にしてしまった自分のマゴコロに。
彼女を失ったあの日。
それまで目にしていた花の名前を、ぼくたちはまだ知らなかった。
彼女を見送ったあの日。
そのあとになってぼくたちは、ようやく花の名前を知ったんだ。
その花に、ぼくたちの想いを乗せて、きみに、送ろう。
ぼくたちは、ちゃんと見つけたのだから。
ぼくたちは、ようやく取り戻せたのだから。