「劇場版 響け!ユーフォニアム ~誓いのフィナーレ~(アニメ映画)」

総合得点
87.6
感想・評価
424
棚に入れた
1961
ランキング
146
★★★★★ 4.3 (424)
物語
4.1
作画
4.5
声優
4.3
音楽
4.4
キャラ
4.3

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ヴァッハ さんの感想・評価

★★★★★ 4.4
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

魂の傑作

ユーフォニアムシリーズの集大成。

・はじめに
個人的には、シリーズ内で一番好きな作品です。
一期があるから二期の流れが生まれ、二期があるからリズの派生が強力な意味を持つ。
それら全てを受け止め収束させた今作は、見事という他ない。
ただ、映画である以上どうしても尺の問題が発生します。正直、一つ一つの事柄に対する起承転結が弱い嫌いはありました。
シュウイチとの恋愛や、各後輩と距離を詰める過程、また上達までの挫折や立ち上がり等のドラマがもっと見たかった。
でもそれは、今作の魅力故に発生した不満です。
大した事のない作品なら批判に終わりますが、ことユーフォニアムに関していえば、それは批判ではなく願望や希望といったもの。良い作品だったから、もっと見たい。

・テーマ
シリーズを通して感じたのは努力というテーマ。
今回は特に感じられた。
努力して結果が出るのか? 結果が出ないのならば、努力に意味はあるのか?
努力は裏切ります。
頑張って頑張って、がむしゃらにやったことが何にもならなかった。なんてことはザラにある。誰もが経験して来た事でしょう。
夢半ばで挫折した人も、夢を叶えて第一線で活躍している人も。屈辱と後悔を積み重ねて今の位置に立っています。
努力をして結果が出る保証はない、でも努力をしないと結果は出ない。
ならば立ち向かう以外に選択肢はありません。
ユーフォニアムに「友情・努力・勝利」の概念は存在しません。
強い人間の、真正面の馬鹿正直な努力は描かれていないし、勝利もまた約束されていない。
でも熱意は確かに存在する。だからこそ存在するのかもしれません。


・キャラクター
不安定な年頃だからこその物語。大人になると、良くも悪くも落ち着いてしまう。
この時期の熱は、愚かしく青臭く輝いている。
大人ぶって分かった風を装ったり、弱みを簡単に見せてしまったり、悩みが尽きず考え過ぎてしまう。
だから本気が見えるし、心が動かされる。
各キャラクターの悩みは似ているようで全く違う。と思ったらやっぱり似てる。
みんなぶつかって強くなる。


・まとめ
途上だけど乗り越えて来た久美子達と、これから乗り越えて行く後輩達。
後輩を導きながら、自分達もまた新たな壁に立ち向かって行く。
努力は終わりがなく果てしないです。
燃え尽きず戦い続ける彼女達の姿は、本当に生き生きとしていました。
三年生編いつまでも待っています。

投稿 : 2019/11/29
閲覧 : 308
サンキュー:

13

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