ツークツワンク さんの感想・評価
2.9
物語 : 3.0
作画 : 3.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 2.5
状態:観終わった
小説まで読んでいる人向け
アニメ放送から1年が経って若干熱が冷めたのもあったけど青ブタってこんなにつまらなかったかなって印象を受けてしまった
冒頭から大学生の牧之原翔子が押しかけ女房として登場するのだけれど、アニメ版に登場したのはあくまで回想の高校生翔子と中学生の翔子だけであって、大学生翔子は視聴者から見ると新キャラに近い
そのせいかウェディングデートとか盛り込まれても魅力を感じづらい
中学生の翔子自体も本編であまり関わりがないキャラなので映画の尺が短い分、もう少し本編で翔子と関わるシーンを増やすべきだったのではないかと思う
ストーリーとして咲太は翔子の言葉に人生救われたっていうのが根本にあるのだけれど、ただそれだけで予定調和とはいえ自分が代わりに死んで心臓を差し出そうとまでするかなぁと疑問に思ってしまう
熱血系の自己犠牲キャラならともかくダウナー系主人公なのもそこら辺上手く噛みあってないのかも
あっさり命を差し出す方向で話が進んでしまうので首を傾げてしまった
会話劇も量子力学とかなんかそれっぽいこと言っておけばどうとでもなるような感じになっていて、思春期症候群はあくまで本人が意図して起こすことができない自然現象みたいなものだとばかり思っていたら時間移動まで任意で行えるとなるともう何でもありって感じになってしまう
異能力の一種だとでも認識を改めるべきなのだろうか
最後の結末も麻衣が映画に出演したからドナーが増えて翔子が助かったことについて一回見ただけでは理解できないのも非常に残念
あくまで小説も読みこんでる青ブタのファン向けであって一見さんには厳しいかも
タイムリープものは2010年代に入って色んな媒体で増殖し腐るほど見てきたけど結局のところ二者択一でどっちを救うかみたいな展開に落ち着いてしまう
そうなると天秤にかけられたキャラの魅力をどれだけ描けるかや主人公のジレンマみたいなものを描けるかが勝負になるのだけれど尺の都合か劇場版の青ブタにはそれを感じられなかった
余談になるが、翔子と麻衣の顔がそっくりで分かりづらかった点について初恋の女の面影を見ていることのメタファーという感想を見てなるほどと思ってしまったが、咲太と国見の顔もそっくりだったし、深い意味も大してなく、単に書き分けが出来ていないだけかもしれない