「十二国記(TVアニメ動画)」

総合得点
88.2
感想・評価
1685
棚に入れた
9129
ランキング
124
★★★★☆ 4.0 (1685)
物語
4.3
作画
3.7
声優
3.9
音楽
3.9
キャラ
4.0

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にゃんにゃ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7
物語 : 5.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

構築されたシステムの中で、人は懸命に生きる。

どこにでもいる平凡な高校生、中嶋陽子。
周りに合わせ、自己を主張しない。これが彼女の処世術。
あるとき、景麒と出会ったことをきっかけに、
陽子とその友達2人は不思議な世界に放り込まれる。

全く知らない世界で孤立し、戸惑う3人。
そして陽子にだけ現れた異変。
顔は全くの別人に変化し、全くの異世界で陽子だけはその世界の言葉が理解できた。

理解できない現状に戸惑いつつも、
彼女は日本にいた時と同様、優等生の仮面をかぶり続け、生き延びようとするが、
次第に彼女の心は壊れ、変化していく。

(2話まで)





「アリは賢くないが、アリのコロニーは賢い」某生物学者の言葉。
アリは単体では、何をすればいいかも判断できないほど愚かだが、それでもとても繁栄している生き物だ。
それはコロニー自体が賢いからに他ならない。賢いシステムが存在しているだけに過ぎない。
これは人の世界にも当てはまるかも知れない。


十二国記の世界では、国が潤うも荒廃するも、システムの一部にすぎない。
個人の自我が強くなりまとまりが薄れれば、独裁王が生まれ、
国が荒れれば、賢王が生まれる。
全ての現象は世界のバランスを保つため、神の定めたシステムに則り推移する。

人々はそのシステムの中で、無意識にも与えられた役割を演じ、懸命に生きていく。
時に疑問を抱き、諦めつつも、抗いつつも懸命に生きていく…

アニメオリジナルキャラクター浅野。
彼は、陽子らと共に、何もわからないままこの世界に放り込まれ、元の世界に帰りたいという一心で生き延び、
その過程で、彼なりの答えを見出した。「ここはゲームの世界なんだ」と。
言いかえれば現実逃避に違いないのだが、その答えはまさにこの世界のシステムそのもの、
つまりこのアニメのテーマであるかのように、わたしには思われた。

しかし、浅野のような自己解決はきわめて特殊だが、ほとんどの者が悩み、考え自分なりの答えを模索する。

自らに与えられた役割に疑問を抱く者。そして、不満を持つ者。
さらには、役割に気づきすらせず、過ちを犯す者。
様々な国で、それぞれの想いを抱える者たちは、人との出会いを繰り返し、
潜在意識的であってもシステムを受け入れ、そして成長していく。
賢いシステムの中で生きる、愚かな人間の成長を描いた物語。


投稿 : 2012/03/10
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