ヴァッハ さんの感想・評価
4.1
物語 : 3.5
作画 : 5.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
邦画的
まぁ邦画なんですけど、どうもこの作品はアニメ映画の中でも、実写の邦画、とりわけ0年代の雰囲気を感じました。
・内容
「リズと青い鳥」という作品と、メインの2人の境遇を照らし合わせた内容。
ありがちで、展開もオチも予想はつきます。ですが、それがマイナスに働く要素とは一概には言い切れません。
この製作陣の本領は、キャラクターの感情の機微や演出に表れます。
・音響
SEの効果が、非常に魅力的に刺さる。一挙手一投足に丁寧に当てられたSEが、視聴者を映画の世界へ吸い込んでいく感覚。
特に導入部分は良い仕事をしていました。何だか不思議とドキドキしました。泣くことだけが感動じゃない。
・キャラクター
新キャラ登場!
三年生が卒業した後の後日談なので、新入部員が沢山です。
レギュラーキャラとの関わり方、またレギュラーキャラの関わり方も見所。
・演出、作画
これが凄い。毎回凄いけどほんと凄い。
作風に合わせて作画を変えています。儚い空気と、優しさをみせつつ言い切ってしまう様な感もある。
これが本当に邦画的。大好きな空気感です。
分かっている展開ですが、それでも見せ方演出で受ける印象は大きく変わります。
終盤の柔らかくて儚い色彩と雰囲気に魅了されました。
・まとめ
言ってしまえば何でもない、普通の話です。日常譚で、悲劇でもなく喜劇でもない。
ただ演出。空気作りが完璧。「これが熱を帯びたプロなのだ」と、圧倒される。
キャラクターの心情が世界を引っ張っていて、見ているこちらもまんまと引っ張られる。
悲しい時は悲しくて、安堵の瞬間胸を撫で下ろしている。
最後は何だか悲しさもあるが、本当は取り立てて騒ぐ事でもない。
でもその時の刹那的な感情を、これでもかと演出してくるのでたまらない。
もう一度、見たくなった。