pister さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.0
作画 : 3.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
観終わった
初代ポケモンは見てたけどそのうちすっかり見なくなって…理由は安定期に入ったというか「お決まりのパターン」が出来上がって、それを繰り返すだけの守りに入った作りに興味が続かなくなって…。
内容ではなく構成に冒険が無いって言えばいいのかな?こうなっちゃうと刺激が弱くて段々と見なくなってしまう。
といいつつXY辺りから再びちょくちょく見るようになってたんですけどね…というのが個人的な状況。
でもって本作のサン&ムーンですが、それまで旅を続けるロードムービー的な構成だったのを、島を舞台に一箇所に留まる話へと大幅に改変、絵柄も大幅に改変。
「おっマジか、思い切ったことするなぁ」と興味が沸くのは必然かと。
とはいえこの改変は“冒険王ビイト→エクセリオン”のパターンを髣髴とさせてイヤ~な予感もしてて…が、いざ始まって見てみるとこれが案外面白い。
スイレンが宮藤芳香ばりに常時スク水着用で妙にエロいのもポイント高い…ってかデザインからはスイレンは大人しいキャラだと思ったら漁師の娘で、マオ以上にアグレッシブで結構笑える。
3年間放送したワケだけど、一年ごとに区切り(~編みたいなもの)が設けられてて、編の最初に謎のポケモン登場→編の最後で謎を明かす、という展開を1年目2年目は行ってました。
ってことで大別するとこんな感じかな?
1年目:ほしぐも編、星4
2年目:ベベノム編、星3.5
3年目:アローラリーグ+雑多:星3
島を舞台といっても人の手の入ってない自然の多い土地柄で、大半はポケモンの生態に迫るって感じの…「ダーウィンが来た」みたいなノリ。
1年目は特にその傾向が強くて個人的に好き、ニャビーと老ムーランドの話は必見。
というかポケモンで「う~ん」と思ってることに、トレーナーは指示を出すだけで実際に戦闘をして痛い目を見るのはポケモンだけというのがありまして。
(それへの解決策の一例としてサトシゲッコウガが考案されたのだと思うのだけど、これもなんか違う気が…)
そこら辺は作ってる側も気にしてたのか、結構サトシは野生ポケモンを相手に体を張ることが多かった、1年目は、コソクムシを助ける回とか。
あんまやりすぎるとスーパーマサラ人呼ばわりされるので匙加減難しいところだったとは思うのだけど、上手く出来てたんじゃないかな?
2年目も基本的には1年目のノリで悪くはないのだけど、ウルトラガーディアンズがちょっと…ねぇ。
(後で気付いたけど出撃時リザードンは毎回命懸けだったと思うとちょっとウケる)
問題は3年目。
編の最初にイワクありげに登場したポケモンはイーブイ…えっ、イーブイ?
で、妙に引っ張った割には話には大して関わらない。
似たような感じでメルタンやシェイミーやマギアナ加入エピもあるのだけど、これも話には大して関わらない。
クチナシがサカキと因縁ありそうな描写があって「おっ?」と思わせといてそれ以上の掘り下げはナシ。
どうにも1年目2年目で張った伏線の回収だけで手一杯だった予感、しかも後半はアローラリーグという「人間は指示するだけで痛い目見るのはポケモンだけ」な内容になっちゃって。
どうしてもシリーズの締めは大会にしたい事情があったのかも知れないが、リーグ出場者が身内ばかりで(アセロラの再登場は許す)、そこは最初は誰も注目してなかったのだけど大会進めるうちに段々と注目を集めて…くらいはして欲しかったかも。
大会の内容も、グズマがグソクムシャの特性を理解してなかったり、モクロー戦が「あれ?持ち込みいいの?」で…そりゃ確かにミミッキュの化けの皮やガラガラの骨、タイプヌルのディスクとかもケチが付きかねないのでOKなんだろうけど、なんか釈然としないのが多かった。
Wガオガエン戦ではムーランドを思い出して欲しかった。
3年全部通しての締めとしてラストバトルをカプコケコ戦にしたとは思うのだけど、アニメの印象だとカプシリーズはテテフが飛び抜けて強い気が…。
と、ちょっと愚痴っぽくなっちゃったけどそれはあくまで「トレーナー同士のポケモンバトルになるとちょっとなぁ」って人の感想なだけで、そこは気にならないって方には問題ない…のかな?
なんだかんだ言って今までのシリーズの中では大人…っていうかヲタ向けだったんじゃないかな?
初代を意識したような部分がちょくちょくあって…ゲストでカスミ&タケシを出してる時点で間違いないと思うのだけど、一方でセレナがスルーで一部のセレナファンは怒ってるとかなんとか。
ルザミーネ40歳も衝撃だったけど(アニメでは明言されてないが)、スイレンやアセロラは子供が見たら性癖歪みそうではあるw
そうそう、あとメインキャラは妹ないし妹持ちキャラが多かったのも特徴か。
サトシのクラスメイトではリーリエ・マオが妹、カキ・スイレンが妹持ちで、多分兄弟ナシはマーマネのみ。
ポケモンではミミッキュの設定は明言こそしてないけどどう考えてもポリゴン(ポケモンショック)を匂わせてるし、デンヂムシはミニ四駆だし、カプテテフはイカ娘だし、ヒドイデはオナ○だし、小さなコイキングのメロディだし…。
いわゆる冒頭で書いた「冒険が無い」からの脱却を図ろうとした意気込みは感じる、それこそ初代はエビワラーサワムラーユンゲラーでスターミがウルトラマンとか結構攻めてたあの匂いは感じた。
プリン登場回のアイキャッチ「だ~れだ」の答えは懐かしくて涙出そうになったのも事実。
さすがにナルトのパロキャラに竹内順子(ハプウ役で前週まで準レギュだったので使おうと思えば使えたハズ)は当てられなかったみたいだけどw
ってことで総評。
途中のシリーズ離れてても初代見てた人だったら充分に楽しめる内容だと思います。
結構攻めたというか遊びの回も多く、国民的アニメって立場になると起きやすい「守りに入って無難・退屈」って要素は存外に少ない。
また「ガキ向けが過ぎる」って部分もウルトラガーディアンズ以外はそんなに無いんじゃないかな?
ヲタだったらスイレンエロいってだけでも見る価値ある…のか?アセロラ登場までは遠い。
一方で初代も見てない、ゲームも知らない、このシリーズからポケモンを見ようって方は…ちょっと辛いかも?
この次に始まったシリーズが時間巻き戻して1から再スタートっぽいのでそっちを見た方が…と思うと、S&Mはそれまでのシリーズの総括的な立ち位置になるのかな?
一応サトシがリーグ優勝するし…但し出来立てのリーグで出場者が身内ばかりだったけどねー。
けどそうであるならサカキの件が放置なのは…げ、劇場?SMで劇場あるのかなぁ?
最後の最後、サトシが「ちょっと異世界行って世界救ってきたぜ、一晩で」って言うのがあるので、そのエピをやるのも可能ではある気はするけど…。