「僕だけがいない街(TVアニメ動画)」

総合得点
91.6
感想・評価
3377
棚に入れた
15596
ランキング
28
★★★★☆ 4.0 (3377)
物語
4.2
作画
4.0
声優
3.8
音楽
4.0
キャラ
4.0

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ネタバレ

砂粒と嵐 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 4.5 作画 : 3.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

踏み込んで生きる

雛月加代が可愛くてしょうがなかったしケンヤくんも可愛いし、小学生時代、とにかく可愛いが炸裂してた。マセた子供が好きで堪らない。

人生を終えるときに「もっと努力して真剣に生きればよかった」と思うように、青春が終わる時「もっと真剣に他人に踏み込んでぶつかって、関係を築けばよかった」と思う種の人間がきっとたくさんいる。

他人に踏み込んでいく行為は、リスキーで勇気が要るわりに、そうする必然性のないことだ。
だからこそ、この物語のように、「もしも自分が踏み込んでいかないと、誰かが死んでしまうとしたら?」というような「頑張らざるを得ない理由」みたいなのを求めてしまうのかもしれない。

時を越えてパラレルワールドを跨いで、世界の縦軸と横軸が交錯して、きみを助けに行くという、悟目線で進んでいくストーリーはとてもドラマチックだ。
でもひとつの世界線で固定して見たとき、悟は20年近くも寝たきりなわけで、その期間毎日欠かさず母親が世話してくれてたってことにサラッとなってるけど、実はそれがいちばんものすごいことだと思う。
というか、全編通してこの藤沼佐知子という母、ものすごくスペックが高くて有能で頼もしくて、いつもステレオタイプで描かれがちな母親像とかけ離れていたのがかなり良かった。
最後は「この眠っていた20年弱、僕だけがいない世界こそが、僕の宝物だ」というオチで幕を閉じるけれど、それは「自分が何をしたか、何を見たか」よりも「自分の行動が相手にどんな変化をもたらしたか、自分が相手に何をしてあげたか」こそが人間が生きた意味であり証であり本質であり結果であり、人間関係の結実である、というメッセージが込められているようで、深く考えさせられる。

梶浦さんの音楽のおかげで、日常っぽい作画とは真逆の、劇的で必死なニュアンスを加えていたのがすごく良かった。
さユりちゃんのエンディングも、梶浦さん作詞作曲ということで、ある意味さユりらしくないエキゾチックなメロディラインと希望をまっすぐ歌った歌詞で、新しい魅力を見せてくれた。

投稿 : 2019/11/20
閲覧 : 310
サンキュー:

9

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