わし さんの感想・評価
3.0
物語 : 3.0
作画 : 3.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
ある意味「教科書」のような作品
スケットダンスの原作者とだけあって、ストーリーが本当によく練られているな、と感心するところと、いくらご都合主義といえどもこれってどうなの…?と思うところと両極端。
地球を超越したスペクタクルなストーリー展開だが、上記の理由でSF映画とはとても呼べない。あくまで青春モノとしての視聴をオススメしたい。
さて、内容に関してだが、正直に申し上げると3話くらいまでは非常につまらなかった。寒くて笑えないギャグにありふれた台詞回し、どこかで見たことのあるキャラ設定。本サイトで比較的評価が高かったため視聴を継続したが、そうでなければ間違いなく切っていただろうと断言できる。
とはいえ伏線の張りかたやその回収方法は見事で、観終わった後にモヤモヤを残さないための緻密なストーリー展開は圧巻であった。(まぁSF的にどうなの?という意味でモヤモヤはあるが、今は目を瞑っておく)
視聴完了後の総括としては、タイトルにもあるように「教科書」のような印象を受けた。
青春モノとして、ひとりひとりに焦点を当て視聴者の共感を高める設計や、ミステリとして最終話まで一貫して登場人物の言動に齟齬が生じないような話の組み立てが、2019年のアニメとしてまさに「教科書」的な立ち位置であったように感じる。
本作品には「どこかで聞いたことのある」「どこかで見たことのある」がそりゃあもうたくさん存在するが、過去の作品の良いところを最大公約数的に掛け合わせたものとして考えると納得できる。
長々と書いてきたが、青春ミステリとして入門、SFとしては鬼門の作品であった。