R子 さんの感想・評価
5.0
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
青年たちの絆を見守る物語
世界名作劇場の作品の中でもファン層の厚い作品らしく、気になって視聴。
数ある名作劇場の中でも男同士の友情をストレートに描いた珍しい作品。
ロミオに降りかかる困難は多いが、ロミオの誠実さが周りの人々の意識を少しずつ変えていき、困難を共に乗り越えていく様は、観ていてとても清々しい。
貧しい家の事情により人身売買の犠牲となったロミオは、逃げ出すこともなく煙突掃除を懸命にこなす。
煙突の中は仄暗く、掃除をすれば真っ黒になってしまう。それでも煙突の高さから臨む空は青く澄み、どこまでも広がっている。不幸な境遇のロミオは、この同じ空の下のどこかにいる愛する人たちのことを想いながら、いつでも希望を見失わずに過ごしていたのだろう。
この物語がとても好きになったのは、最後まで観た時だ。
「物語の主人公がその後どうなったか」が描かれる作品は数少ない。(原作では続編等で語られていることもあるが)
そういう点で、このアニメは「ああ、よかった」と、後味スッキリと視聴を終えることができる。
しかしこの物語の原作が訴えたいことは、友情や絆以上のところにあるのかもしれない。(アニメの最後に語られているが)
ぜひ、原作を読んでみたい作品である。