tomledoru さんの感想・評価
4.2
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
瞳の青っぽい杏奈
思春期の子どもたちは得てして
「白昼夢」を見るものだと
何かの心理学の本に書いてありますが
それとはちょっと違うのだと思います。
(中二病といっしょにすると
ただのオタクアニメになってしまうので)
杏奈(アンナ)という名前自体,日本人と外国人
の両方に使える名前で,
杏奈の瞳は「青っぽい」ところから察して
すでにマーニーに関係する女の子だということが分かります。
不揃いな家庭環境もあるでしょうし,
義母の愛情に疑問を持つのも当然の年頃です。
精神的に内向的なのも,喘息もちであることも
杏奈の不安を象徴しているかのようです。
内向的なのが悪いとは決して言いません。
それも人の個性の一つですから,
ただ,友達付き合いでは損をする時もありますが…
杏奈は,田舎町へ行くことで,魔法の輪の外から
内側へ入ることができるように
なったのではないでしょうか。
杏奈にとってマーニーは,実在の女の子として
実体があったのだと思います。
マーニーの視点からすると,小さな幼少の孫娘を
残して他界しなければならなかった贖罪と郷愁の
念があったに違いありません。
杏奈からすると,マーニーに会って,
ただの成長物語です。おわり。
ということではなく
「自分探し」,自分の「ルーツ」を
することになっていくのだと思いました。
そうそう短期間の間に性格がコロコロ
変わるはずもありません。
久子さんや十一さんも幼少期のマーニーを
知っていて杏奈の魔法の秘密を解いていきます。
魔女の宅急便のキキとほぼ同い年(中一)の
設定ですが,魔女の宅急便を「陽」とすると
「陰」のような印象を受けますが,
こちらの方が,よりシットリとした味わい深い
女の子同士の独特の心の交流があり,
細かいところまで見落とせない魅力がありました。