(*´ω`*) さんの感想・評価
4.7
物語 : 5.0
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 5.0
状態:観終わった
丁寧に作られた良作
舞台は百年戦争の真っ最中のフランス
戦争嫌いの魔女のお話です
キリスト教が絶対的な力を持つ世界を舞台に、
神や魔女という非現実的な存在の組み合わせが、
とても新鮮な物語を作り出していました。
ストーリーはとてもシンプル
ですが名前、設定、台詞に込められたギミックがとても凝っていて
知れば知るほど味を増す、スルメのようなアニメ。
始終笑いとシリアスがテンポよく描かれ、
気が付くと見終わっているジェットコースターのような楽しい作品でした。
■おまけの丁寧一覧
様々な面で丁寧に作られていたので、まとめてみました(ネタバレ無し)
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□中世フランスの描写が丁寧
当時の街並み、衣服、食事、宗教、戦争について入念な考証のうえ制作されたそうです
放送時、海外の歴史マニアの方からも絶賛されたとか。
□脚本が丁寧
原作のコミックが3巻しかないので、オリジナルのエピソードが追加されています。
物語の根幹はそのまま、分かり易く作り直されていると感じました。
□作画が丁寧
BDやレンタル、配信版では結構修正が入っているそうです。
海外での反響が結構あった為、その声を取り入れて修正されたとか。
軍服が無いので、兵士の服はバラバラ。描き分けを行ったアニメーターに脱帽。
個人的にですが、揺るぎない存在であるミカエルを体現する描写がとても良かったです。
□声優の演技が丁寧(らしい)
声優さんの後日談で、基本的に1話目の収録は時間がかかるそうですが、
2話以降もずっとリテイクだらけで、最終話まで時間をかけて声を入れたそうです。
公式サイトに【なぜなに中世事情】という丁寧な解説ページがあり、
作品への理解を深めるのにおすすめです。{/netabare}
■見終わって
{netabare}
作中のマリアに問題、矛盾があるとすれば、
魔法という力により一方的に主張を押し通していた事です。
ミカエルが求めたものは、人間自身による選択でした。
最終的に魔法を使えなくなることは残念でもありますが、
結果として矛盾を解決し、綺麗に完結したのだと思います。
聖書ではヨセフとマリアが婚約後、天使によって処女受胎し、
キリストが誕生したと記されています。
ラストはその内容をなぞっていて、
放送中止もあり得るような危ういシナリオでした。
アニメ化した制作陣の冒険心に敬意を払いたいと思います。{/netabare}