ato00 さんの感想・評価
4.9
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 4.5
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
作品未視聴者の勝手な感想<追記;本編視聴後>
長井龍雪監督秩父三部作のトリ。
繊細な心情描写の作品である。
「井の中の蛙大海を知らず、されど空の青さを知る」
この言葉に惹きつけられる。
主要登場人物は3人。
歳の離れた姉妹、あかねとあおい。
あかねのかつての恋人、しんの。
それと13年前からきた若かりし、しんの。
姉あかね思いの妹あおいが魅力的。
姉を気遣いつつ、しんのへの恋心に苦悩する。
絞り出すような「泣いてないし」
切ないながらも、確実に前に進む強い意志を感じる。
主題歌は、あいみょん歌う「空の青さを知る人よ」
ちょっとハスキーでぶっきらぼう。
それがまたナチュラルに心に響く。
”君が知ってる空の青さを知りたいから 追いかけている追いかけている 届け”
<追記;本編視聴後>
{netabare}大胆ですね、作品も観ずにレビューするなんて。
当時、主題歌とPVにそれほど惹きつけられたのです。
最初に言っておきましょう。
やはり私にとってはどんぴしゃのアニメでした。
ジャンルはまさしく青春ど真ん中。
それに、SFテイストも若干加えて。
そして、背景である秩父盆地が美しい。
ほんと、ぼっーと空を眺めていたいほど澄み渡っています。
まず何と言っても、主人公のあおいが魅力的です。
この年代特有の反攻的な表情や声が豊かに表現されています。
それと、あかねやしんのに対する気持ちもストレート。
自分なりに隠してるけど。
物語は、しんのとあかねの関係で動き出します。
生霊?である13年前のしんのは、二人の関係性が生み出したものじゃないかな。
夢に破れたしんのと夢を諦めたあかね。
この二人の感情のもつれを引きちぎりたかったのでしょう。
人間って基本、井の中の蛙なんです。
だから、大海を知らない人が大部分。
でも、それでいいのです。
だって、それでこそ空の青さの尊さを感じとれるんだから。
一番大切ものが、暗闇の底で目を凝らしていると徐々に見えてくる。
人生ってそんなものじゃないかなって思わせてくれる作品でした。
あおいにとって、ちょっとやるせなさが残るハッピーエンド。
長い人生の入口に立ったばかりのあおいにとって、この体験はどのように映るのかな。
きっと、出口で振り返った時に喜びも悲しみも幾星霜と思えることでしょう。{/netabare}