tomledoru さんの感想・評価
4.5
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
cv:本名陽子は,10歳のタエ子は,耳を澄ませば,の月島雫と同じだよ
監督・脚本は高畑勲
ジブリ作品では,最も現実味を帯びた作品だと思います。
人の生き方が多様化したとはいっても,
男性の生き方は,固定化されたままです。
会社・仕事場に縛られるか,自分で仕事を起こすか。
男らしいとは,バリバリ働いていて,優しくて
スーパーマンのような人が理想なのは,30年前も今も
未来も変わらないでしょう。
今は,女の人が自由になったと決して言いきれませんが,
男性に混じってバリバリ働くもよし,
結婚して,昔ながらに家庭に入って
自分の好きな仕事や趣味や子育てを
選ぶもよし,(子育てと仕事の両立が難しいのは
ひしひしと感じるのですが・・・)
けっして,偏見ではないと思うのですが
女の人にできないのは,大相撲の力士ぐらいで
あとは,なんでもありの時代になりました。
男が男を捨てる生き方(落伍者のレッテルが待っています)
はできないけれど,
古い女性の価値観を捨てる生き方は,反って賛同されたりします。
女の人の方が,生き方に「幅」が出てきたのが
現代の変化だと思います。
タエ子も,農家の藍染の体験など,その大変さ
をよそに,田舎へのあこがれ程度に体験しに
行くのは(男の立場ではできない)のんきなものだと思います。
少なくとも最初は,そう映ります。
もう一人の10歳のタエ子(cv:本名陽子)
は,会社勤めに疲れと疑問をどこかで
感じる,もう一人の自分。
本当の自分を取り戻すためのもう一人の自分。
男性目線でみると,タエ子は贅沢なことに,選択肢が二つも
あって悩めるというのはうらやましいですね。
東京へ帰るのが正解なのか,物語のように
トシオと有機農業を一緒にするのが幸せなのか
私にはわかりませんが,
女性目線のタエ子自身が,決めたことですから,
会社勤めより,ある意味
厳しいかもしれないのですが,暖かい人に囲まれて
生きがいを感じるかもしれない人生に
頑張ってほしいと思いました。
本当の自分を取り戻して,幸せになって,ほしいと思いました。