USB_DAC さんの感想・評価
4.6
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 3.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
By always thinking unto them. そして恋の目覚め
物語:
第18回文化庁メディア芸術祭アニメーション部門新人賞受賞作品です。
とってもストレートな傑作恋愛物語だと思います。たまこまーけっと
の続編として作られていて、"映画単体でも楽しめる作品を念頭に"と
言う通り、本編を見ていなくても充分楽しめる内容。とにかく細かい
秀逸な描写につい唸ってしまう作品です。
作画:
人物の作画は言わずもがなの最高のクオリティ。高3生にしては幼過
ぎる乙女たちはちょっとこの先心配になるものの、女性らしい動作や
鈍さ(失礼!)、絶妙な表情、感情の揺らぎを大切にした描写は見事
としか言いようがありません。
声優:
今作品の公開当時は26歳半ばの洲崎綾さんと田丸篤志さん。10歳
差を感じさせない高校生らしい演技は本当にすごいなと思いました。
音楽:
たまこの母ひなこさんが作中歌う「豆大さんへ」。この曲が一番印象
に残っています。洲崎綾さんの「プリンシプル」も爽やかでGood。
キャラ:
視聴理由は何と言っても苦手なデラの登場が少ないこと。出来れば冒
頭の登場も削って欲しかったくらいです。と言いつつチョイに2度も
引っ叩かれるシーンには大爆笑。別に山崎たくみ氏が嫌いな訳じゃな
いんですよ。ただ単にキャラが苦手なだけ。w
基本的にキャラはみんな良いけど、特にと言うなら僕はみどりとかん
なの二人。失恋を周囲に感じさせない様、懸命に気を張るみどりが何
ともいじらしい。そして上手くバトンをキャッチ出来ないたまこを見
て「強力磁石入りグローブを・・・S極とN極が・・」なんて話し出す
かんな。本当いい味出してます、この二人。
それにしても京アニが描く男性キャラは女性目線でやっぱ爽やかだな
あ、オヤジも若者も。そんな印象が強いです。
[感想]
By always thinking unto them. by Isaac Newton.
”年がら年中、そのことばかりを考えていた”
なかなか伝えられない「たまこ」への気持ち。
地球を回る月や機関車のOゲージ。レコード喫茶のアナログディスク。
そしてクルクル回りながらやがて手元に落ちるバトンもそんなもち蔵
の気持ちを表している様な気がします。
ずっと回り続ける彼の気持ちを、たまこがしっかりと掴み取るまでの
物語。キャッチコピーの通り、「近くて遠い、ふたりの恋」が「たま
こ、むけました。」によって実り「大人になる、ということ」。
次々と進路を決めていく周囲とは別に、亡き母への思慕の裏返しと使
命感を背負って必死に家業を手伝い、いずれはそれを継いで行く彼女。
大人へと変わりゆく彼に次第に距離を感じて戸惑う。そして跳ね毛も
気にせず恋に無頓着だった彼女が、友の助力でようやくその一歩を踏
み出す。そんなたまこ達の揺らぐ気持ちが何だかとても胸を刺します。
そしてラストのちょっと反則気味な「もち蔵、大好き。Over.」。
めでたしめでたし。きっと大丈夫、これからも。w
以上、拙い感想でした。
2019.11.10 一部修正