二足歩行したくない さんの感想・評価
4.1
物語 : 5.0
作画 : 3.5
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
ある意味では強くてニューゲームの異世界転生ものに近しいところがある
たつき監督作品。ケムリクサが面白かったので、評判のいい本作も見てみました。
ケムリクサは謎が謎として始まり、謎のまま終わる謎だらけの内容でしたが、それに比較すると、本作は謎を残しつも大枠の伏線回収、説明が行われていて、ケムリクサよりはわかりやすく一般的向けな作品だと思います。
キャラクターデザインもシナリオ展開も、よくある萌系アニメのそれを感じさせながらも、どこか終末めいた、不穏な雰囲気を感じさせるような内容となっています。
様々な動物が人の姿をした「フレンズ」と呼ばれる少女たちが暮らす「ジャパリパーク」。
そこに現れた謎のフレンズ「かばんちゃん」が、自分が何のフレンズなのかを確かめるため、サーバルキャットの「サーバル」、ジャパリパークのパークガイドロボットの「ラッキービースト」と共に旅をするストーリーとなっています。
アニメーションは3DCG形式で制作されています。
そこに拒否感が出ればそれまでですが、個人的にはケムリクサもですが、本作ような雰囲気はむしろきれいな作画やスムーズなアニメーションでは出せないと感じています。
ストーリーが進むにつれて、少しずつ核心に近づいてくるような展開の作品のため、1話目で拒否反応が出なければ、もう1話、もう1話と見続けることをおすすめします。
各話でかばんちゃんとサーバルちゃんは様々なチホーを旅して、いろんなフレンズに出会います。
そこでフレンズたちのトラブルに巻き込まれ、解決して先に進むのがフォーマットですが、トラブルといっても本気で困っているようなシーンはほぼなく、おきらくな悩みを、それほど機転を利かせた訳でもない工夫で解決し、フレンズたちに感心され、サーバルちゃんに「すご~い!!」と言われるという、ある意味では、強くてニューゲームの異世界転生ものに近しいところがあるストーリー展開と思いました。
また、ワンクール作品なのに、登場フレンズはかばんちゃん含めて41種類とかなり多く、一方で各キャラともキャラクターが立っていて見せ場があります。
最終回はそんなフレンズたちによる、とても楽しい終わり方でした。
たつきらしい仄暗い感じはありますが、ストーリーのわかりやすさ、キャラクターの気楽さ、楽しさ、そしてフィナーレの感動から、たつき監督が全開放されたケムリクサよりも、本作の方が個人的には好みです。
すごく良い作品でした。
なお、今でこそ"けものフレンズ"の名は人口に膾炙しますが、本作は非常に少ない予算とスタッフで作られていて、アニメ放映時にはスマホアプリのサービスは終了、漫画も終了していて、オープニングを手掛けた大石昌良も本作放映時にはあまり知られていなかった、そんな中で異例のヒットとなったのは、宣伝効果などではなく、本作が本当に面白い作品だったからここまで有名になったという証明と思います。
そんな"けものフレンズ"の脚本・監督として"けものフレンズ"を育て上げたたつき監督は2期では降板という。