tomledoru さんの感想・評価
3.9
物語 : 4.0
作画 : 3.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
ストーリーの一貫性は薄いが良作
まず
主人公の
杉田智和氏の祐一役は,涼宮ハルヒシリーズ
の目線と同じ「声」で演じ,描かれおり
あまり斬新さがありませんでした。
「真琴シナリオ」について言わせてもらうと
動物や人とのきずなの大切さ,家族愛を感じます。
心を感じ絆で結ばれているから家族なのです。
途中から真琴が出番が無くなってしまうのは
さみしいです。
「栞のシナリオ」
「私,笑っていられましたか?」のセリフ
にジーンと来ました。
栞のシナリオは,栞は自分の為に
好きな人たちに辛い涙を流して欲しくないのです。
でも気がついて欲しいです。
そんな感情が,端的に表されています。
本作の「栞シナリオ」には誕生日
設定や,不治の病ということらしい設定なのですが,
これらに,ぐっと,来てしまいました。
栞は主人公・祐一とは過去にも接点がなく
ごく普通に学校の隅で知り合い
触れ合っていくうちに少しづつお互いを知っていく
という自然な展開も良かったです。
麦畑の喪失と学校開発から特殊能力を
持ってしまったという,
ファンタジー色の強い「舞シナリオ」も
とても良いと思いました。
さらに,真琴が実は人ではないとか
舞のように見えない敵と戦う超能力者とかの設定は
改めて,考えればとんでもないような
ばらばらの設定なのですよね。
あえて,苦言を少し加えるならば,
各ヒロインは,エピソードごとに
とりあえず話が区切られており
次のヒロインに行くたびに,
これまた,各話の独立性が強くて,
前回の女の子の事はスルーしてしまうの
でしょうかと思いました。
ここも,あれあれと,
と突っ込みたくなるところがありますが
これも無視できる範囲と,とりあえず考えます。
真琴シナリオ,舞シナリオなどでの
主人公・祐一の考え方や行動原理に一貫性が薄くて
ああらと,多少の違和感があります。
取りあえずは無視できる範囲に
収めているという感じです。
各ヒロインでのシナリオも十分に
盛り上げてくれていて,
交通事故に遭った秋子さんが助かり
名雪との7年前からのわだかまりも
生じますが,解消へと進みます。
栞の病気も全快します。
舞と佐祐理も退院後,無事卒業して,
植物状態であった「あゆ」も最後に
意識を取り戻します。
しかし,最後まで見ると
この作品の一貫した道筋は,
出番こそ中盤では少ないのですが,
「あゆ」のシナリオという
主軸が根幹にある事に気づきます。
主人公の祐一が名雪の住む町に来てから
昔の記憶が薄い状態の原因が「あゆ」
との過去の一件(大木から落下)にあり,
各話に渡って素晴らしく感動する内容です。
「あゆ」のシナリオでの人形の願いの二つ目まで
は順調にかないます。
未来への「奇跡」がクラナド・
アフターストーリーならば,
カノンは,過去からの「奇跡」という
ところで似ているのでしょうか。
これらを,ご都合主義といえばそれまでですが,
本作は「奇跡」の物語ですから,
それで良いのかもしれません。
随所に泣かせる描写とストーリーがあり,
細切れではありますが,十分に
涙腺が緩くなる作品でした。