Ka-ZZ(★) さんの感想・評価
4.3
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
私は戦う…システムが正義を支配する世界で…
この作品は、「サイコパス 2」から1年半後が物語の舞台となっています。
物語の内容に繋がりがあるので、前期未視聴の方はそちらからの視聴をお勧めします。
2019年11月現在、テレビでは「サイコパス 3」が放送されていますが、放送に先立ち、特別番組「#0」が放送されました。
その特別番組では3期だけじゃなく、過去の作品についても触れていて、そこで劇場版以降の作品が未視聴だったことに気付きました。
3期では登場人物が変わるようですが、私にとってのサイコパスは、香菜ちゃん演じる常守朱が主人公というのがすっかり定着しているので、期待値MAXで視聴に臨みました。
鹿矛囲事件から1年半後となる2116年。
シビュラシステムはついに海外に輸出され、
初の試験導入先となったSEAUnの首都・シャンバラフロートは束の間の平和を得る。
一方、日本では東京湾から武装テロ集団が密入国を果たしていた。
情報屋から一報を受けた常守朱監視官は、一係と現場へ急行。
激しい銃撃戦の末、テロリストを制圧する。
中略
異例の操作で得られた映像には、SEAUnの反政府ゲリラと行動を共にする
狡噛慎也の姿があった。
公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。
劇場版で尺が限られているからでしょう。
序盤で既にトップスピード…いきなり目の離せなくなるような展開から物語が始まります。
私が2期を視聴したのは約5年前…記憶も相当曖昧になっていると思っていましたが、序盤で記憶の引き出しが一気に開放されて蘇った感じを受けました。
そうなったら、あとはひたすら作品に没頭するだけですよね^^
2期までは全く気にしていませんでしたが、公式HPのINTRODUCTIONにも記載されている通り、シビュラシステムがあるのは日本だけなんだそうです。
全てがシステムに管理され、決定されることを良しとする世界…
もちろん、一長一短はありますが治安が極めて良い状況で維持されるのは好ましい事だと思います。
それならテレビで連日報道されている凄惨な事件はほぼ皆無になるのでしょうから…
そしてこのシステムが今回初めて海外に輸出された訳ですが、この劇場版を視聴して知ったのは、シビュラシステムには相当根深い謎が隠されていることです。
中には耳を疑う様な台詞だってありましたから…
シビュラシステムは完璧なシステムなのかもしれません。
でもそのシステムは、完璧では無い人間が管理するべきモノです。
でも時折違和感を感じるんですよね…
「シビュラシステムを活用してどの様に管理するか」という視点ではなく、「どうしたらシビュラシステムで上手く管理するのか」という視点が織り交ざっているのです。
言葉尻は似ていますが、主となる存在が大きく異なっています。
前者は主が人間ですが、後者の主はシステムなんです。
考えてみると、シビュラシステムに様々な決定権が一極集中しているんですね。
だって、人殺しの判断までシステムに委ねられている…というより、既に人間にはその決定権は失われているのですから…
もしかすると、この劇場版の展開への流れは単純なステップ論なのかもしれません。
日本におけるシビュラシステムはある程度ボトムアップで成熟させてきました。
次に、このシステムを未開の地に根付かせたら、人間はどの様な反応を示すのか…
ごく自然な発想だと思います。
こう考えると、物語の展開の在り様が繋がってくる気もしますし…
何故、狡噛慎也は反政府ゲリラと行動を共にしていたのか…
シャンバラフロートで常守朱がどの様に立ち回るのか…
シビュラシステムを輸出した意図とは…
もう見どころが盛り沢山な作品に仕上がっています。
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。
主題歌は、凛として時雨さんの「Who What Who What」
エンディングテーマは、EGOISTの「名前のない怪物」
エンディングが流れた時、全身に震えが走りました。
まさか、1期のエンディングが使われるとは思いもよりませんでしたから…
最近ご無沙汰でしたが、EGOISTはやっぱり超格好良い!
上映時間2時間弱の作品でした。
3期視聴前に押さえておきたい作品だと思いました。
引き続き劇場版3部作を視聴したいと思います。