「さよならの朝に約束の花をかざろう(アニメ映画)」

総合得点
89.0
感想・評価
673
棚に入れた
3546
ランキング
93
★★★★★ 4.2 (673)
物語
4.2
作画
4.5
声優
4.2
音楽
4.1
キャラ
4.1

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ネタバレ

tomledoru さんの感想・評価

★★★★★ 4.2
物語 : 4.0 作画 : 5.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

日本でいうと「八百比丘尼」伝説のようなお話かな

西洋風ファンタジー版
歳をとらないエルフ?
のお話でしょうか。

日本でいうと「八百比丘尼」伝説のような
お話。

日本の不老不死の美しい娘の
お話・伝説も,何代も何代も,
戦争を体験して大切な人を
失ったり,夫を見送ったりする話がありますが…

「愛すれば本当の一人になってしまう」
というのは,テーマとしては同じでしょう。

岡田麿里(あの花・ここさけ関連)
さんが監督・脚本を務め,
TVシリーズで縁の多いP.A.WORKS
製作によるオリジナル作品です。
期待度はまあまあでしたね。

十代半ばで外見の成長が止まる
不老長寿の種族イオルフの
少女「マキア」と,

赤ん坊の時にマキアに拾われて,
育てられ成長していく

人間の少年エリアルの物語です。

最初は,赤ん坊,そして幼児から
子どもへ,そして少年へと進む中で

実の母でなく,一人の子を育てる大変さも
エリアルの実の母親ではないとわかっていく,
つらさもよくわかります。

「母さんを守る」という約束も

親子関係は親離れ,子離れを通じて
確実に変容していくものです。

そう考えると、マキアとエリアルの
関係性の変化に本来的な
違和感はありません。
しかし,マキアは,歳をとりません。

母子が,姉弟に,兄妹に変化していく
のも仕方がありません。

「君の名は」でも,同じようなシーンがありましたが
織物は,縦糸と横糸(時間と人とのつながり)が
ありますが,冒頭の布を織るシーンや赤ん坊を包んだ
布に象徴されているようです。

さらに,メザーテの敵対国の「戦い」(殺し合い)と
レイリアの妻で,幼馴染のディタの出産シーンは,

失われていく命と生まれてくる命のシーンが
対照的で,男の身勝手さと女性の偉大さを
表現しているようで複雑な気持ちでした。

あと,マキアとエリアルの生涯・ふれあいは
しっかりと描かれているのに対し,

クリムとレイリア,そして特にメルドルの
描写は少ないですね。

娘と再会しながらすぐに別れさせる
「思い切りの良さ」はどうなんでしょうか。
娘のメドメルについてのその後を描かなかったのは
時間の都合でしょうか。

最後に,
命や親子関係を描いた作品では,それでも
男性目線で描かれたものが多い中で,

エリアルの実母から指を折ってまで
赤ん坊のエリアルを,
取り上げるシーンや
ディタの嫉妬や出産のシーンなど,
女性目線で描かれると作風が変わるんだ
なと思わせるところがありました。

やっぱり日本の「八百比丘尼」と同様
女性目線で,人の生涯を見送るという
テーマは外せないところだと思います。

投稿 : 2019/11/25
閲覧 : 311
サンキュー:

11

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