ウェスタンガール さんの感想・評価
4.6
物語 : 5.0
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
天使の歌
このアニメのことは、当時少なくとも、話題になっていたことは知っていた。
自転車で二人乗りをしている彼女の背中からミサイルがこぼれ落ちるというやたら印象的なイラストと相まって。
そう、気にはなっていたのだが、とうとう今の今まで観ず仕舞いであったのだ。
当初は、主人公“シュウジ”と、人から造られた“兵器”である“ちせ”との恋物語であると思っていた。
それもお涙頂戴の・・・。
ある意味でそれは正しかった。
しかし、これはとんでもない物語であった。
そして今、このアニメが“彼と彼女”を世界の中心に据えた黙示録である事を知る事となる。
幹となるラブストーリーに抜かりはない。
青春モノの王道ではあるが、彼らは運命に翻弄され、何本にも分かれ絡み合う愛情のもつれのな中で、苦しみもがいて行く。
イケナイ先輩である“ふゆみ”と旦那である“てつ”を主人公二人に絡め、それぞれの恋心が愛に昇華されて行く。
また、“シュウジ”と、幼馴染の“あけみ”の悲恋には心えぐられる。彼女をベッドから抱き起す時の描写には参った。
そして物語は展望台のシーンに進んで行く。
「シュウちゃんの子っこが欲しかった」
終末のラッパを吹く天使“ちせ”が最後に守るのは“シュウジ”との愛であり、役目を終えた“ちせ”は堕天し、“シュウジ”の中で“鼓動”を取り戻すのである。
我々は、そこに黙示録の完結と神の救済を見るのだ。