ウェスタンガール さんの感想・評価
4.4
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
天使の鼓動
ダンテの神曲を下敷きにしたKeyらしい作品だ。
舞台はもちろん学園であり、クラナドを経て、ハルヒへのオマージュを込め、サクッと作られた感がある。
ストーリーは、会話のテンポの良さと個性的なキャラクターが相まって、コメディタッチで進んで行く。
しかし此処は死後の世界、それも生前の果たせなかった思いに向き合う煉獄である。
“ゆりっぺ”を筆頭に、彼等の前世は理不尽そのものだった。
それでも此処に“生きる”彼等の有り様は、底抜けに明るく、そしてどこまでも清々しい。
(考察を少し)
神曲の作者であるダンテが、自ら遍歴する煉獄の出口で出会うのは、永遠の恋人であるベアトリーチェである。
主人公であり、この物語の語り手でもある音無くんをダンテとするなら、ベアトリーチェは“かなで”ということになる。
そう、天使の鼓動が音無くんに働きかけこの世界を造ったという考えは如何だろうか。
時間軸を超えて響き合う愛の形、クラナドと同じく余剰次元をプロットに据えるなら話は簡単だ。