tomledoru さんの感想・評価
4.5
物語 : 4.5
作画 : 4.0
声優 : 4.5
音楽 : 5.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
ちょっとだけ,大人向けのジブリ作品かなあ
宮崎駿監督曰く,
「疲れた中年向けに描いた」作品と。
ラピュタ・ナウシカ・トトロ・宅急便とは
ターゲットも世界観も全く違う世界。
「カッコいいとはこういうことさ」
というキャッチフレーズもあります。
大人向けの作品である証拠に
声優陣で,森山周一郎・加藤登紀子を
採用したところからもうかがえます。
空を飛ぶ飛行機の作品は個人的に好きで
それらしい作品は楽しんで見ています。
「豚は尊敬されないけど、少なくともあんまり憎まれない」
と,宮崎監督は豚に設定した理由を言いますが
なぜ豚になったのか,作中でははっきり語られないんですよね。
諸説あって,いろいろな人が豚になった理由を
語っていますが,
第一次大戦中の戦いで,手練れの3機に
追い回されて逃げる途中で見た「夢」
にヒントがあるんではないでしょうか。
敵も味方も空の飛行機の墓場へ行くシーン
「お前はそうしてずっと飛んでいればいい」
と神様ではなく,自分で豚になるように
魔法を掛けたんだと思います。
豚ならば,煩わしい人間界の「悪」に
触れられずに済むからです。
「悪」とは,戦争や人殺し
煩わしいとは,世界恐慌の不景気と
次に来る第二次世界大戦の足音
「恋」も煩わしいことのうちに
入れているのかもしれません。
「飛ばない豚は,ただの豚さ」という
とおり,アメリカのカーチス(飛行機)と
戦闘を繰り広げるあたりは圧巻です。
ポルコも,フィヨのキスで元にもどり,
最後の「微々たる」カットで,赤い戦闘艇
が,ジーナの店の桟橋に昼間に止まっていることから
ジーナの賭けは勝ったということで
めでたしなのです。