Dave さんの感想・評価
2.2
物語 : 1.0
作画 : 3.0
声優 : 3.0
音楽 : 2.5
キャラ : 1.5
状態:途中で断念した
ひどいのはタイトルだけじゃない
ひどいタイトルでもちろん期待薄だったのですが、意外と序盤の経済戦争のところは面白かったんですよね。何でもかんでも「トンでもチートスキル」で解決するんじゃなくて、旧経済vs資本主義経済みたいな感じで。その路線で行けば、「まおゆう」みたいな人類の進歩の歴史を紐解くような、面白いストーリーにすることもできたと思います。
しかし物理の戦争がはじまると、チート頼りの酷いもので、いっきに面白くなくなりました。いや、いいんですよ、転生ものなんて「if」の塊ですから、ルールに則って主人公側に有利な展開を描くこと自体は悪くない。しかし、「オーバーロード」が魔族であるという設定、あるいは「GATE」が陸上自衛隊であるという縛りを外して、「何でもあり」にしてしまったら、とたんに子供の空想と同じ低レベルになってしまう。
第一に、タイトルにある「高校生」である必然性がまるでない。高校生にするというのは、この場合【制限】の方向に作用して、「超人」という部分でやや【拡張】するくらいが妥当かなと思うのです。たとえば超能力という拡張を認める「とある」シリーズや、今期でいうと「Dr.Stone」は「天才」高校生という拡張要素を使って無理を通していきます。しかし、本作の場合は、制限なしで拡張要素も何でもあり。高校生だから生徒会長くらいにするのかと思いきや「政治家」だし(※未成年なのに…)忍者だの無敵剣士だの、挙句の果てには魔法使いみたいなやつまで。
タイトルの「余裕で」というのも、まあそりゃドラえもんと孫悟空を異世界に連れて行きゃ楽勝だろうという具合で、知略による勝利や本人の努力によらない勝利はつまらない。俺Tueee系の最大の欠点はそこだと思うんですよね、人は結果に感動するのではなくて、その過程が重要なはずなのに、すべてがうまくいってしまうとドキドキもしないし、価値のある勝利にならない。
そして敵側も分かりやすい、それこそ幼児向けの戦隊モノの悪役のようなわかりやすい悪人で、ここにも感情移入の余地なし。上手な作品は、敵ながら共感できたり、戦う必然性があったり、むしろヒールにこそファンがついたり。そういうのがない、ただのやられ役の敵が出てきても、それはターゲットシューティングのようなもので、薄っぺらで面白くはない。
異世界もののネタ切れ感が強いです…。