タマランチ会長 さんの感想・評価
4.8
物語 : 5.0
作画 : 4.0
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
長井監督の期待通り。安定のすばらしさ。
とにかく分かりやすい。演出も抑え目で、自然な感じ。でも、泣かせどころはきっちり抑えていて安定の感動をいただきました。「井の中の蛙 大海をしらず されど空の青さを知る」キャラがそれぞれ一途な思いを持っていて、ホントブレないところが見ていてスッキリします。いい作品でした。
反面、あの花に比べればそれほど感動的じゃないし、パンチに欠けるのも事実。長井監督にはこういう作品を期待しているんだけど、もう一つなにか新しい要素を加えなくてはいけないかも。前作の心さけはそれやり過ぎて分かりにくくなってしまったという反省点を踏まえての今作だと思うけど、月曜日の夕方、一番大きいスクリーンで客が10人いないってのもこの作品の地味さを物語ります。あとはネタバレになるので箇条書きで。
{netabare}
・あか姉すばらしくかわいい。三十路のお姉さんに惚れました。
・演出で気になったところが少しあります。空を飛ぶシーンは、先行して上映された「天気の子」の方が美しかったので、巷の評価は下がるでしょう。
・季節感たっぷりの風景描写も、写真みたいに1ミリも動かず、不自然でした。風で葉がそよいだり、枯葉が少し動くようなひと手間をかける余裕がなかったのかな。
・シンノが車の後部座席からあっさりいなくなる演出は、めんまがこれでもかと滝のような涙を流しながら消えたのと比べればいかにも地味。だけどこれはこれで味があって好き。
・あおい眉毛太い。ガンダーラといい、ノスタルジーを誘います。
{/netabare}
私は満足しました。もう一回観たいくらいの良作。実写系青春アニメ。こういう作品こそ増えてほしいです。
PS 実写映画のようなアニメ作品、私大好きです。そういう作品を「実写でやればいい」という意見には反対です。新海監督も言っていますが「実写なら感動は半減」に共感します。今のアニメの表現は、実写よりも優れている部分も多々あります。