きつねりす さんの感想・評価
4.2
物語 : 4.0
作画 : 5.0
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
アクションを扱っても流石のクオリティ!
京アニ作品はリアルタイムで折々見てはいたのですが、やはり何作かは放送当時のものを見逃しているものもあり、「時間のある時に京アニ作品巡りをしよう」との思いで今回はこの「境界の彼方」を選びました。先日「ユーフォシリーズ」を今公開されている分を全編通し見して感動したのも含めて、期待大でこの作品へと入っていきました。
結論から言うと、「作風は違えど、やはり京アニ流石!」という作品でした。
他の京アニ作品との明確な違いというのは間違いなく「アクションの緻密さ、溢れ出る躍動感」という所だと思います(今まで見た中では)。「けいおん!」や「小林さんちのメイドラゴン」といった日常ものでは見られないバトルシーンの手の込みよう、「やはり京アニはそちらを描かせても安心安定のクオリティだなあ・・・」と毎話感心させられました。
そして構成が上手いなと感じずにはいられない話の中での種明かしもお見事。特筆すべきはやはり10話。ヒロイン・栗山さんがどうしてあの時にあの行動を取ったのか、あのシーンの裏にはこんなイベントが起こっていた、というのを洗いざらい見せ、募り積もった思い故に栗山さんは最後の闘いへと向かった・・・という持って行き方、ズルいほどに秀逸。わざと季節をばらつかせて現実との違和感に気付かせるという手法も憎い!
着地点も「忌み嫌われる存在だった自分が誰かを救えるということに気付いた」「命を懸けて守りたい人に出会えた」というボーイミーツガールに落ち着き、最後はハッピーエンド。非常に満足!くどく最後のシーンを解説しないのも個人的には「いつか思いは通じる」みたいな余韻を残していて好きだったり。
正直途中ネタ回が挟まれたことによって「お?ここから日常系来ちゃうのか?」と思いましたが、やはり根幹を流れる設定の骨太さがそうはさせませんでした。「遊び心」として1話をスピンオフで割くアニメって意外と最近無いですよね・・・なんか嬉しかったです。
もう6年も前の話なのか・・・と思うととてもそうは見えませんが、まだ劇場版を残しているので楽しみは続きそうです。幸せ。