退会済のユーザー さんの感想・評価
4.4
物語 : 3.5
作画 : 5.0
声優 : 4.5
音楽 : 5.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
英霊よ、汝の名は梶浦由記。
Fateは、ウロブチ先生の「Zero」は熱狂して見たのでかなり記憶に残っていましたが、他はちらちらっと見た程度で登場人物や背景等、ほぼ記憶に残ってませんでした。(ファンの方ごめんなさい!(^_^;))
このスピンオフストーリーには、Zero含めFateシリーズの他の物語がバックグラウンド的にからんできますが、でも、もしFateシリーズを全く見たことがなくても、それでもきっと大丈夫です。
話としてはミステリー=謎解きであるし、そのトリックにはなにやら魔術の術式だのルールだのがからんでくるのですが、実を言いますとわたくしそのあたりほぼ全然、理解できませんでした。
というか、最初からあまり深く理解しようともしていませんでしたww。
でも、それでも大丈夫です。
美しい絵と麗しいキャラクターの皆様、背景となる建築物や内装品の数々、登場人物それぞれのこだわり、言葉遣いや所作。
それらが一体となって全編をロンドンの夜の霧のように妖しく包みこむ その”雰囲気”。
この”雰囲気”だけを存分に楽しむ…というのが、この「ロード・エルメロイⅡ世の事件簿」の正しい楽しむ方法のような気がします。
煙を肺には入れずに香りだけを楽しむのが葉巻の”正統な”楽しみ方であるように…。
禍々しくも人を惹きつけてやまない魔術の力。
幾重にも織り込まれた謎に隠された犯罪の香り。
それらを解き明かさんとし皮肉な微笑を浮かべる探偵の愉悦。
道具立ては揃えられ、ミステリーは幕を開ける…!
どうです?
ゾクゾクしてきませんか?? ヾ(。>﹏<。)ノ゙✧*。
そしてその雰囲気をいやがうえにも高めるのが、なんと言っても梶浦由記さまの素晴らしい音楽!
メランコリーとアイロニーの絶妙な混淆。
重なる謎が一気に瓦解する解決のカタルシス。
それらすべてを、言葉のない音楽だけで余すことなく表し伝えてくれます。
音楽だけでも「最上の謎解き」と呼ばれても良いような、大傑作のOSTだと思います。
まどかもそうですが、梶浦由記さまはなんと言ってもインストゥルメンタル曲が素晴らしいですよね。
もちろん、Kalafinaのような女性ヴォーカル曲も良いんですが。
あ、このアニメのED曲「雲雀」もまた、人恋しい心に沁み入る名曲です。