oneandonly さんの感想・評価
3.9
物語 : 4.0
作画 : 3.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
荒ぶる乙女の物語
世界観:6
ストーリー:8
リアリティ:6
キャラクター:6
情感:6
合計:32
<あらすじ>
高校の文芸部に所属する小野寺和紗たち女子5人。
「死ぬ前にしたいこと」という話題で沸いたある日、
部員の一人が投じたある一言……。
その瞬間から、彼女たちは“性”に振り回され始める。
岡田麿里脚本作品で評判もまずまず良さそうだったこと、当期(2019年夏)の覇権候補にもなるのではと期待して、3話放映頃から視聴を開始しました。
先に評価面から書いていくと、中盤まで優良水準。5人それぞれの恋愛がどう進展するのか、切り替わりのテンポが巧みでした。
岡田麿里氏は、綺麗事で済まさない脚本を書くことに特色があって、今回は思春期の学生が直面する性を掘り下げた物語になっています。これが良い方向に出ることが多く、私は好きな作品が多いです。
一方で、アニメだからこそできる表現を追求しているため、実写化には耐えられないようなリアリティを削いだ展開になることがあり、それが悪く出ると好みでなくなる、というパターンもあります。
2話(1話だった模様。訂正)に{netabare}和紗が泉の自慰を目撃してしまうシーンがありましたが、このようなシーンを入れるのも流石です(ブルーハーツの選曲は物語の疾走感にぴったりでしたが、イヤホンをしていて、ノックしても反応がないので開けてしまうパターンのほうが現実的)。
本作は、中盤まで前者の理由で良かった(作文のくだり等)のですが、終盤にかけて、山岸先生が本郷さんとラブホインしてしまったり(それでいて、都合良くえすいばつはない展開)、学校に立て籠ったり、たくさんの垂れ幕を校舎に掲げたり、ももちが同性愛に走ったりしたこと(これに共感できないのは仕方がないのですが、やが君のような深さは感じられず)などがマイナスとなって4点割れ。{/netabare}良作水準ですが、一般層におすすめできるアニメまでには惜しくも足りない評価となりました。
終盤でも、{netabare}泉に下衆い発言をさせ(男はストレートだからな)、和紗と菅原氏の受け取り方、菅原氏にまんざらでもないと言わせたシーンなど面白かったですね。この二人の勝負は、お話的に和紗の勝利で終わっていますが、若いカップルが相思相愛のままゴールインすることには懐疑的ですし、菅原氏と泉の関係に既にとっかかりがあるため、最後に菅原氏が勝っている可能性もあると思います。それまで菅原氏が待てればですが。{/netabare}
何だかんだ、最後まで前傾姿勢で楽しんで視聴することができた点は評価しています。アニメファンはおさえておいても良いのではないでしょうか。
また、当期の覇権は「彼方のアストラ」になったようなので、時間がないながらそちらも視聴せねばと思っている今日この頃です。
(参考評価:3話3.9→4話4.1→5話4.2→6話4.1→9話4.2→11~12話4.0→調整3.9)
(視聴2019.7~9)