USB_DAC さんの感想・評価
3.7
物語 : 3.0
作画 : 4.0
声優 : 3.5
音楽 : 4.5
キャラ : 3.5
状態:観終わった
曲は秀逸。ただストーリーはちょっと欲張り過ぎ?
物語:
シンプルなサクセス・ストーリーにガジェットを次々に加え、かなり複雑
なものにしてしまった感があります。その上、中途半端感があって折角の
曲の良さが浮いてしまった感じです。ただ、火星という舞台設定は決して
悪くは無いですし、渡辺監督らしい音楽への拘りに於いては、一見の価値
がある作品だとは思います。
作画:
絵は綺麗。そもそも火星と地球の違いは何って感じですが、夜空を見上げ
たり(良く見ると地球の大きさが変)、言われたりしなければ、そこが火
星とは分からない描写です。街の風景もまんまニューヨーク。せめて惑星
間移動の描写を使うなど、演出に工夫があっても良かった様な気がします
が、そんなものは一切無い訳で。
声優:
主人公その他キャストとのマッチングは良かったと思います。ただ、どう
しても歌い手が全くの別人の為、声に違和感があって馴染めません。この
辺が音楽物の難しさでもある様な気がします。
音楽:
他の追従を許さない出来。ただし、ライバルのアンジェラや脇役の曲の出
来が良く感じるのはどうも。個人的にはフレンチポップを歌ったシベール
の曲が凄く気になりました。どちらかと言えば、コンクールやイベントだ
けではなく、楽曲を2~3増やしてでもLiveに力を入れて欲しかった。
キャラ:
主人公は特に違和感は無いですが至って普通。ただし、ピョートルのお姉
キャラと歌声の違和感が特に馴染めない印象でした。歌はマジで格好良い
です。w アンジェラはあの声量に対して、ちょっと容姿が幼過ぎる感じ。
個人的には、献身的なロディが良かったかな。
[感想]
火星に人類が移住して50年。AIが支配するこの音楽の世界に、ギブソン・
ハミングバードを持つチューズディ。しかし決して安くは無いこのギター。
代々もしくは父親から受け継いだ物なのでしょうか。それにしても、演奏
が控え目でとても残念です。折角登場させたのなら、もう少し良さを引き
出した音が欲しかった気がします。
序盤は二人のサクセス・ストーリーで、純粋にAIが作る曲と二人が作る曲
との戦いを描く。かと思いきや中盤は妙にコミカルになって、変なロボが
登場したりで?な雰囲気に。そして後半は移民政策や表現の自由など政治
問題に激変する始末。で結局それぞれの問題は結末を見ないまま、感動が
ちょい薄のフィナーレへ・・・・。
恐らく後半の政治問題と「奇跡の7分間」の演出が軸にあるのは明らかで
す。ならば中盤のコミカルな部分を削ってでも、もう少しどっぷりと深く
描いた方が、多少視聴者を絞る恐れはありますが、結果的には良かったの
ではないかと正直思っています。
それにしても、この「奇跡の7分間」。本場でどういう反応を見せるのか。
良くも悪しくも興味の尽きない演出です。(正直ちょっと心配ですが)
それと毎回OPでのナレーションも不必要だった様な気もしました。
以上、拙い感想でした。