Tnguc さんの感想・評価
3.0
物語 : 3.0
作画 : 3.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
色物コメディとして観る分には面白いが、
~
キャラクター原案の線が多いせいなのか、それを簡略化したキャラクターデザインによる不協和音なのか、単純にナヨナヨとした線画が原因なのか、とにかく立体感のない絵柄がまず目に付く。設定資料の立ち絵をそのまま動かしているかのような奇妙な原画に、全編を通して作画枚数が少ないおかげで躍動感はほぼ感じられずアニメとしての生命線が損なわれている気がするが、第3話辺りからやや改善される。正直、同人アニメに毛が生えた程度の低クオリティーであることは否めず、ただでさえ美少女キャラが沢山登場する作品なだけあってとても勿体ないと思う。
ただ、物語の主軸が不明瞭な点や、地に足のつかないキャラ設定、突拍子のない超展開とそれを即理解する少女たち、そして、マスターとドールの絆を描いた物語である筈なのにコロコロと心変わりするドールたちなど、誰がどう見ても不安定な作りなのにも関わらずなぜか見限ることが出来ない「何か」があって気が付けば最後まで完走してしまった。
本作に限らず、「ジョジョのスタンド」みたいな設定を持つバトル作品というのはそれはもう腐るほどあるけれど、その大抵が1人につき1体しか所有していないことが多い中でこの作品では1人に対して5体くらい所有している点が斬新。部室やお風呂場といった狭い空間に大勢の少女が密集しているビジュアルはなかなかのインパクトで、そういった賑やかな大所帯ぶりは数少ないプラス要素だったと思う。恐らくそういった部分が「何か」だったのかも知れない。
肝心のバトル描写については、作画が低コストなだけあって根本的な物足りなさを感じたが、「ちくわ」とか「アイス」などといったゆるい要素がふんだんに盛り込まれたカードバトルが真剣勝負に反したギャップとなっていて意外と面白かった。ただ同時に戸惑ってしまったことも事実だが「伝説の不採用通知」とか「協力カノン」のくだりは流石に爆笑した。
良い意味でも悪い意味でも「癖」のある作品ではあったが、プリキュアでお馴染みの高梨康治(たかなし・やすはる)が作曲したオープニング曲だけは手放しで評価できるのは確かで、かくいう私もオープニング曲で釣られた口。
個人的評価:★★★☆☆(3.0点)