ツークツワンク さんの感想・評価
2.2
物語 : 1.5
作画 : 3.0
声優 : 3.0
音楽 : 2.0
キャラ : 1.5
状態:観終わった
主人公の強さを見るだけの作品
2010年代の最強主人公物語、通称なろう系の走りとして有名な作品
愛称はさすおに(さすがお兄様)
入学試験でおちこぼれクラスに入学した劣等生が這い上がっていくような物語ではなく、これでもかというほど主人公の隠された(隠す気もさらさらないのだが)強さを見せつけていく物語
1話において妹と平穏な学園生活を送るために劣等生と罵られても能力を隠すよ的なニュアンスの発言をするのだが、2話でいきなり生徒会でも有数の強さを持つ武闘派生徒を瞬殺
もうこの時点で隠す気ないよねと思いながらも、お兄様は生徒会に就任
風紀委員の活動においてもその強さを遺憾なく全生徒に見せつけ、余計なトラブルすら引き起こす始末
能力を隠す~ってのはあくまで主人公の最強能力についてのことだけでその他の魔法、武術、魔法道具作成の才能についてのことではなかったと後ほど分かるのだけれど、シュールな笑いを誘っているのかと思ってしまった
まぁそんなこんなで八面六臂の活躍をした結果、凄まじい才能の塊であることは皆の知るところとなってしまう さすがお兄様
タイトルから魔法技能の高い人間と低い人間の差別をテーマにした作品だと思ったものだが、主人公の差別なんて前述の行動のせいか速攻で無くなってしまうし、劣等生も主人公の周りに限っては特殊技能や戦闘に特化したクラスメイトばかり
テロリストも序盤は国内における魔法技能の低い人間達がテロを起こすのだが中盤以降は海外の連中がテロを起こし始める
魔法技能がない人達が中心となり、自ら人権を求めて社会にテロを起こすわけでもなくなるので特にドラマも生まれない
この時点でストーリーとしての面白さも無くなるし、軍も介入するわ敵の理念が全く見えないわで退屈になってくる
最初の頃の戦闘シーンはそれなりに説明含めて楽しめたのだが、後半の戦闘は一瞬で相手を消滅させる魔法やほぼノーリスクで連発できる完全治癒が登場し、まともなバトルものとして見るのではなく全編通してギャグとしてみるべきだったんだなと後悔の念に襲われた
真面目に魔法の解説や効果範囲を聞いていたけど伏線とか頭脳戦は無いし適当に聞き流して問題なかった
最終戦では主人公以外の魔法使いも相手を一方的に蹂躙し始めるし、完全治癒が存在するため緊張感の欠片もない戦いを見せられるのは辛いものがある
その上、戦場経験の無い一般生徒も平気でテロリストを容赦なく倒していくというのも突っ込みどころが多い
世界観や主人公の強さを楽しめる人は好きなのだろうけど、過去の回想などの掘り下げが無いため敵味方全員モブ以下の扱いになり愛着が湧かないこと、魔法の説明及び軍やテロリストのやりとりの冗長さなど26話追いかけるほどでもない作品だった
終わり方を見るにまだ物語の序章なのだろうけど今後面白くなるような要素が見つからないのも評価を下げてしまう