tomledoru さんの感想・評価
4.3
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 3.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
理不尽なこと
作者が最初から意図していたことだろうと思われますが
どこの誰と戦争しているのか
なぜ北海道・札幌小樽周辺なのか
なぜに「ちせ」が,自衛隊によって「最終兵器にされたのか」
は,一切明かされません。
シュウジと二人の付き合いも,ちせの告白からで,
交換日記という古風な形です。
携帯電話の普及前の作品でもあるのでしょうが,それでは趣が半減してしまいます。
ちせには,度々の召集がかかり,超人的というより
もうロボット化した力で,国籍不明の敵と戦います。
薬でももう止めようがありません。
確実に全身兵器化していきます。
友は軍隊を志願し,ちせの友人は,天災で亡くなっていきます。
「二人で一緒にいたい」という気持ちから,二人は自転車で逃亡しますが
そんなわがままを許してくれるはずもありません。
「鬱」アニメとよく評されますが,それ以上に「もっと評価すべき」
作品ではないでしょうか。
「理由のなさ」「くやしさ」「無常観」「非情さ」が
漂う作品で,もちろん初めの設定から
涙をさそいます。
最後二人きりになった世界には生きていくすべがあるのでしょうか。
ハッピーエンドとは,また違った終わり方にも「虚しさを」感じました。
絵がかわいらしくて,
戦争を描いているのには似つかわない良さがありましたし,
ちせの声も声優さんがぴったりと合っていてよかったと思います。