STONE さんの感想・評価
3.6
物語 : 4.0
作画 : 3.0
声優 : 4.0
音楽 : 3.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
パイオニア作品の一つ
原作は未読。
個人的には特化モチーフのないギャグ・コメディ寄りの女子日常系の草分けといった印象が強い
作品。
もっとも古い作品ゆえに今だと問題になりそうな部分もあり、美浜 ちよへの悪ふざけは肉体的
ダメージを与えるものが結構多く、この辺はいじめと取られかねないし、教師の木村の女子生徒
(特にかおりん)への接し方は性犯罪者のそれとほとんど変わらない感じ。
笑いのネタはパロディや時事ネタが少なく、そういう点では時代を越えた普遍的なネタが
多いように思える。
ネタの振り幅はほのぼのとしたものから、シュールなものまで幅広いが、シュール系だと
大阪こと春日 歩の表情が動かないまま喋り続ける系統のネタや、榊の妄想ネタなどは笑いを
通り過ぎて怖ささえ感じることも。
他の女子日常系の多くが主役を設けているのに対して、明確な主人公がいないという点が面白い。
強いて言えばちよちゃんか、滝野 智がそうかな?という感があるが、やはり主役と
断定するほどの比重の置かれ方はされておらず、やはり特定の主役はいないというのが妥当かなと。
逆に言えば、個々のキャラを中心にすると作品の見え方が変わってくる面白さがあった。例えば
ちよちゃんを主役として捉えると、飛び級で高校に編入した幼い少女が年上ばかりの
クラスメイト達の輪の中に入っていく図式になったり、大阪を主役とすると、転校してきた彼女が
受身なタイプゆえに転校先の少女達を見つめていくような図式になったり、といった具合。
ストーリー性はないのだが、通しで観ると高校の入学から卒業までの3年間を描いた一種の
青春物になっていたのが良かった。
キャラに関しては多くが好感度を持っているのですが。。。
ネットなどで叩かれるうざいキャラ、自身の思考のみで突っ走ってしまう暴走キャラ、理不尽
キャラなどに対して、比較的寛容だったりするのですが、本作の智だけは本当にイラッとさせられ、
笑いより不快感が先立つという点で、個人的には希有な存在。
2019/10/17