ilohasu さんの感想・評価
5.0
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
身体の哲学アニメ
青春スポ根アニメなんですけど、ペアダンスを通じて身体の哲学が描かれている様に思いました。
身体の哲学とはメルロ-ポンティというフランスの哲学者の議論です。彼は身体を通じて私と世界又は他者との関係性の構築、つまり人間の精神や社会性の成り立ちを身体をベースにして考えた人です。
ザックリ言うと、身体による知覚には、何かに触れるという事は同時に触れられてると感じる事であり、何かを見るという事は同時に見られていると感じる事で、その両義的な身体のメカニズムによって自分と他者との一体感が生じるとポンティは言いました。
ダンスシーンの過剰とも言える演出は、単なる印象的な脳内の妄想ではなく、そこには象徴的な深い意味があると思います。
公園で多々良がマコを凝視して練習するシーンや本番中に起こる4本脚の幻影、千夏の多々良の感性が進入し多々良と一体感が生じるシーンなど、ダンスのシーンはメルロ-ポンティの哲学と深くリンクしていると思いました。
つまりむちゃくちゃ奥が深いアニメであると、私は思います!!