佐藤くん さんの感想・評価
4.0
物語 : 3.5
作画 : 4.0
声優 : 4.5
音楽 : 3.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
少し大人な青春アニメーション
「あの花」「ここさけ」に続く超平和バスターズ3作目という事で、なかなか期待値が高かったわけですが、面白かったです!
<物語>
前作が非常に心に訴えかける、泣けるアニメ作品の代表作といっても過言では無い作品なので、どんな方向で来るのかと思っていましたが、なかなかビターな展開をぶっ込んで来ました。
主人公のアオイは高校生。不安定で、いろいろ悩んでいる思春期真っ盛りです。対して、裏の主人公とも言える姉のアカネは30歳。そろそろ現実を見始めるリアルな年齢です。そんな2人と姉の幼馴染、しんのを交えた3人+1人を中心に少しほろ苦い青春ストーリーは描かれます。
<作画>
非常に丁寧で美しい背景が印象的でした。しかし、キャラデザが同じ人なのでどうしても比べてしまうのですが、新海誠監督作品の背景美術の凄さを改めて思い知りました。
とはいえ十分綺麗な背景です。キャラクターの動きも自然で滑らかで、主人公のアオイの表情の微妙な変化も可愛らしい。この映画の魅力の半分はアオイちゃんといっても過言でない、うん。
<声優>
また俳優かよ、と思っていた自分をデコピンしたい。途中まで本気でアオイちゃんはあやねるだと思っていました。シンノ役の俳優さんの演技も素晴らしい。声優並みどころか下手な声優よりよっぽど上手くてビックリしました。というか、アオイちゃんの演技が好きすぎて普通にファンになってしまった…声優として活動しないかな……
<音楽>
これはストーリーとも少し関わるのですが、せっかくバンドものとして作ったなら、ライブシーンを入れても良かったのでは?と思いました。
この作品の数少ない残念なポイントは盛り上がりに欠けるところです。ある意味落ち着いた雰囲気の作品とも言えますが、主人公が楽器弾けるならラストシーンで弾かせてあげても良かったのでは?
あいみょんは良かったです。作品のテーマにもあった良曲でした。
<キャラ>
まだまだ若くて青いアオイ。優しくて頼り甲斐のあるけど本当は弱いところもある姉、アカネ。お調子者で何も考えていなさそうだけど、実は色々考えてて、1番悩んでるシンノ。
それぞれリアリティのあるキャラクターで、特に大人のキャラが1番今作では描きたかったんだろうなと、伝わってきました。
<総評>
というわけで、少し大人向けの青春ストーリーとしてかなり良作なのではないでしょうか。
特に前作では描けなかった大人の哀愁漂う青春、というのもおかしな表現ですが、少しビターな内容は一見の価値アリです。
ただ、人気は出なさそうではあります。盛り上がりに欠けますし、昨今人気の新海作品の真逆みたいなアニメでしたから。
でもアオイちゃんが可愛いです。それだけで見る価値があります。アオイちゃん可愛い。