ツークツワンク さんの感想・評価
2.8
物語 : 2.0
作画 : 3.0
声優 : 4.0
音楽 : 3.0
キャラ : 2.0
状態:観終わった
キャラのインパクトで引っ張ったものの……
登場人物(ほぼ)全員イカれてるという作品
主人公が殺人犯なのでいっそのこと全員イッちゃってる人間にしようという作品のコンセプトは良かったかも
これが下手に一般人や常識人だらけにすると主人公の設定が重くなるのだけれど、周りもやべえ奴らしかいないので良い意味で緩衝材になっている感じ
1話から殺人&監禁、2話でロリコン&M先生とアクセル全開でスタートしたおかげで上々の滑り出しなのだが、その後のしおちゃんを巡るストーリー自体は1話の冒頭に向かって一本道なのでイマイチ
しおちゃん争奪戦も早々に太陽がヘタレてしまったせいか面白味に欠けてしまう
ではキャラの心情の方が本筋だったりするのかというと太陽やM先生、すーちゃんに深い背景がないので、ファッションキ○ガイとしてしか見られない
しおちゃん一家に関しても、暴力を受けてた子が暴力に溺れるとか、DV受けた母親が子供を突き放すのは型にはまった虐待物のお約束だったりしてそこら辺も陳腐だったりする
その割に後半の尺の半分はしおちゃん一家のDVについてのお話なので退屈してしまう
主人公のさとうも最初からしおちゃんへの好感度が振り切れており、しおちゃんとの生活で徐々に愛を育んで事件を起こすというストーリーでもない
単なる一目惚れに近く、母性や恋愛というよりも太陽のような小児性愛にも見える
そして彼女の根本にある愛自体も結婚ごっこ遊びの範疇を出ないので薄っぺらく感じてしまう
そんなさとうを叔母さんが論破しようとするシーンは好き
作品として次回への引きは上手いのだけれど、予告で引っ張っておいてあっさり使い捨てキャラにしたすーちゃんや先生といい雑な部分が目立つ
幼児言葉で砂糖菓子のようだったしおちゃんが、さとうの告白を聞いて「共犯者」と急に難しい言葉をしゃべり出したり、大事な指輪を忘れてしまって現場に戻るなど最後はこの雑な部分が一気に噴出してしまったのが残念
ミステリー要素としても部屋にある死体は誰なのか、しおちゃんの背景といったことがあるのだけれど両方とも予想の範囲内
叔母さんが登場した場面はドキドキしたものの結局死体が部屋の住人というオチは何とも締まらない
インパクト重視の異常なキャラに対してストーリー自体はあまり冒険せず、サイコ性、愛、ミステリーとどの点においても突き抜けていない作品になってしまった