「本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~(TVアニメ動画)」

総合得点
79.2
感想・評価
527
棚に入れた
2066
ランキング
517
★★★★☆ 3.6 (527)
物語
3.8
作画
3.4
声優
3.7
音楽
3.5
キャラ
3.7

U-NEXTとは?(31日間無料トライアル)

ネタバレ

TaXSe33187 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.2
物語 : 1.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 1.0 状態:途中で断念した

本好きが書いた話ではない気が…

本が好きな女の子が、文明の未成熟な世界に転生して本に溢れた生活を目指す、みたいな方向性なんだと思う

小説家になろうで何度かタイトルを目にはしており、読むか迷ったものの粗筋を読む限りあまり良いものに思えずスルーしていた
まあ、予想通り良いものではなかった、というのが1話の感想

{netabare}初っ端からになるけど、意識を取り戻した直後はまだしも部屋を出てまで本を求める部分でちょっと躓いてしまった
前世の人格は取り戻したもののそれ以前の「この世界で生活した女の子」としての記憶も(知識として)有しているんじゃないの?
それなのに本を求めて家探しするって「本好きアピール」のためとはいえ早々に設定がガタガタじゃないかと

その辺を本を求めて気が狂っていた、と解釈して全部スルーしても今度は製紙・印刷・出版に関する記憶はどうしたんだ?という疑問が出てくる
「本がないなら新聞かカレンダーでも」なんて、ほんの少しでも本に興味があるなら考えるわけがない

というか収集・保存の性質を持つ本に対して、新聞やカレンダーはこのどちらの性質も非常に小さい以上成立はより遅くなると知識が無くても分かる
そもそも情報伝達の技術が未成熟かつ人々が一つの街の中だけで生涯を終えるのも当たり前と言えるような時代にどれだけの情報が集まるのか?
情報が集まったとして、各家庭に届けてまで伝達しなければならないような重大な情報がどれだけあるのか?
暦についても、どんなに余裕がある暮らしでも一週間を一つの単位に平日・休日の概念があれば事足りるような世界じゃないのか?
新年等の節目については町中に触書を出すだけで周知が可能な世界で、一体どれだけの人間が個人所有の暦を必要とするのか?
記憶は取り戻しても知識・思考力は取り戻せなかったのかな?なら前世の記憶なんて無くても良いんじゃないかな?

序盤の行動に説得力がないまま「本好き」を名乗られても違和感が拭えない
おまけに母親と一緒に街に出かけるシーンも妙な描写が目立つ
まあ大人の人格を持っている以上母親に背負われるのを嫌がるのは分かるけど、自身の体の弱さをどうしたのかと
家族の記憶などを思い出したのに自分自身の体の弱さは思い出せないのは滅茶苦茶じゃないか?
街に出ると文字がどこにもないことに絶望している様子が描かれているけど、識字率の向上がいつ頃かちょっとでも考えないのか?
休憩のために入れてもらえた店で写本の存在を知って大喜びするのはまあ分かる
ただ、見せてくれだの触らせてくれだの本当に有り得ないだろうと
写本の貴重さなんて本が好きじゃなくても理解できるはずなのに、自分の年齢も身分もなにも考えずに触らせてってのはふざけ過ぎだろうと
そして最後に日本人アピールで土下座してるけど、この世界の作法に則った懇願をしないとただの馬鹿だろうと
あ、いや馬鹿なのか…なんて言っても本の貴重さを全く知らないまま本好きを自認するくらいだし

1話を見る限り面白いと思える部分は無かった
強いて言えば日曜朝にやってそうな童話劇場チックな絵柄くらい
仮に日曜朝にこんな非常識が主人公のアニメやってたところで子供に見せたいと思う親はいないだろうけど

というかそもそも論になるからアレだけど、異世界で普通に生活する人間が、ある日突然前世の人格に切り替わるって話自体嫌いだったり
「頭を打ったら前世の存在を思い出した」みたいに「今の人格ベース+前世知識」の場合は抵抗がない
ナイツマや孫(は若干違うが)みたいに、生まれてきた頃から前世の記憶を維持してる場合も特に気にしない
あくまでも「前世の人格ベース+今の肉体の知識」が許せない

両者の何が違うかって言うと、前者の場合本来あるべき人格を殺して肉体を乗っ取っているって点
もちろん故意に行ったわけではないからしかたないとも言えるけど、人生ってのはあくまで今を生きる人のものだろうと
それを奪ったにも関わらず、そこに対する葛藤がないまま「よっしゃ本読むぜ!」なんて言われても不快感しか抱けない
この話も、「とある世界の少女が前世の記憶を思い出して、断片的に感じた本の魅力を味わおうとする話」でいいのに
そうすりゃ前世の知識の欠落って形で上記の問題をある程度解消できそうなものなんだけど、まあその辺は好き嫌いか
{/netabare}

つーか本を読みたいってのは暇潰しに加えて知識の収集に対する欲求じゃないの?
知らない情報に溢れた知らない世界に来てるんだから、製本だの何だのをやるんじゃなくて知識を得て自分なりの旅行記を作る話であればいいのに
もしもそういう展開になるなら評価も上がるかもしれない

2話視聴
{netabare}Aパート序盤で断念
本を作るには紙が必要だからと紙を売る店の記憶を探る
1話の繰り返しになるけど、あるわけ無いじゃん
仮にあるなら農業技術が未発達で出来や仕入れ量の変動が大きい作物の価格を木板に書き込むわけがない
つーか簡単に庶民が紙を買えるくらい普及してるなら本が質として成立するような品物なわけがない

次のシーン
シャンプーがほしいから油を貰えるように頼むってとこはまあいい
ただ、油の取り出し方を聞かずに粉砕して無駄にするって何を考えてるかわからない
あくまで人格のベースは前世の成人した女性のものなんだろ?
現代日本で暮らしていて、人から譲ってもらった物を使い方も聞かずに破壊する大人がどれだけいるんだよ
外見年齢相応の精神なら可愛らしい失敗で済むけど、中身は周りを劣った文明と内心見下してる大人だって思うともう耐えられない
「本がない!ありえない!」とかそんなレベルじゃなく、人間として持つべき常識も良識もない人間が主人公なんてそれこそ有り得ない

後半面白いのかもしれないけど、主人公への好感度が地に落ちた以上もう見ていられないので断念{/netabare}

投稿 : 2019/10/17
閲覧 : 298
サンキュー:

5

本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~のレビュー・感想/評価は、ユーザーの主観的なご意見・ご感想です。 あくまでも一つの参考としてご活用ください。 詳しくはこちら
本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~のレビュー・感想/評価に関する疑問点、ご質問などがございましたら こちらのフォーム よりお問い合わせください。

TaXSe33187が他の作品に書いているレビューも読んでみよう

ページの先頭へ