岬ヶ丘 さんの感想・評価
4.5
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 5.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
今この時代に生きる、すべての人に見てほしい名作
今年のアニメでも屈指の名作だと思う。二人の女の子が運命的に出会い、音楽を通して絆を深めていく。デビューに向けて色々と挑戦するも、うまくいかなかったりして寄り道もする。
しかしテレビのオーディション番組で見事なパフォーマンスを発揮。フェスに代役で出場した時にはヤジを受けて涙するも、再びステージに戻ってきて堂々と歌う彼女たちの姿は涙なしでは見られない。
終盤の政治や表現の規制といった不穏な動きに、単なるフィクションではなく今の時代の世相を重ねながら、動向を見守っていた。アンジェラも試練も経て、最終的に歌の力によって人々を動かすメッセージを発信するという物語はとても美しい。最終話のアーティストたちが全員集合してのステージは、本当に感動的だった。
とにかくどのキャラも魅力的で、声優さんの演技も素晴らしかった。特にキャロル役の島袋さんの新人離れしたお芝居には舌を巻いた。今後の女性声優界を引っ張っていく存在になるかもしれない。
また歌も本作の欠かせない要素だが、とにかく全部いい。声優と歌唱パートのシンガーを分けたキャスティングもよかったと思う。全編歌詞が英語という海外層を意識した作品だったが、海外のファンにも作品の魅力が伝わったのではないか。
個人的にはタオが好きで、彼の生い立ちや心境はもっと掘り下げられたと思うので、最終話でいきなりデザイナーチャイルド云々という展開には少し驚いた。もう少し丁寧な伏線があるとよかったかな。
とにもかくにも国際情勢が不安定で先行きの見えない今の時代に、ぜひ見ておきたい作品。歌の持つパワーや可能性を存分に感じられる。みんなで歌を歌って平和な世の中になれば、こんなに素晴らしいことはない。そんな世界になってほしい。
視聴日 19/10/10