退会済のユーザー さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.5
作画 : 3.5
声優 : 4.5
音楽 : 3.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
良質な謎解きと若さ溢れる作品
原作未読です。
広大な宇宙を旅すると言っても本格的なSFでは無くミステリー&コメ
ディ、そして友情群像劇にシフトしたSFアドベンチャーって感じです。
そもそも作中に異星人は登場しないし、戦闘も無い。スタイリッシュな
SF作品を想像すると、ちょっと面食らう作品です。
酔ったオヤジも言わないようなアリエスのボケに暫し茫然。しかも訳も
分からず突然宇宙に放り出される展開に驚いた第一話。でも冒頭宇宙に
彷徨うアリエスの謎の描写を行きなり回収する見せ方は、この先の高展
開を予感させるセンスの良さ。それにしても全員無事で先ずは良かった。
命を繋ぐ為、立ち寄る幾つかの惑星に多少の身の危険性、悲壮感を抱く
ものの、常に明るい雰囲気のお陰か仲間が死ぬ気配はあまり感じません。
見栄えを捨て、程良い生死の緊張感。歴史の真実と事件の黒い真相。刺
客の存在による疑心の渦中で高めていく仲間意識など、背景と人間関係
に重点を置くストーリーと衒いの無いこの潔さは、好感を抱きます。
それにしても不自然でご都合が多いのは確か。例を上げるとキリが無い。
でも「そんなこと気にすんなよ」と言わんばかりの清々しい彼等の表情、
時に驚きを見せる巧妙な構成と展開は、それを補っても余りあるくらい。
そして、彼等を出迎えるアストラ政府軍の「良く戻って来たな」と言う
この台詞。帰還の安堵と共に目頭がチョットだけ熱くなりました。
最後は物凄い駆け足感。(笑) たかだか7年でイーロン・マスク並みに
稼いで宇宙船を買っちゃう設定は、流石に無理矢理感あり。それでも光
に手を伸ばし、誓いと約束通り再び宇宙に旅立って行く3人の姿。最後
までこの作品らしく、若々しい爽やかな終わり方だったと思います。
見た目は平凡。でも内容は大作に決して劣らない記憶に残る作品でした。