グロッシー さんの感想・評価
3.9
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 3.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
現代のアニメおける3Dの正解の使い方の一つ
ただの3DCGだと思ったら大間違い
PV通り最後の1秒でひっくり返る
[ストーリー]
この作品はストーリーの進行がとてもしっかりしており、見ていてほとんどストレスは無かった。
SF物の作品にありがちな視聴者を置いてきぼりにして突っ走ってしまうことが、この作品にはおいては細部に渡って視聴者にわかりやすくなっているのでとても見やすかった!
ここら辺は脚本が小説家である「野崎まど」さんの手腕と言えるだろう。
{netabare}(ただ、これは自分がバカだからなのか分からないが美鈴ちゃんの立ち位置が演出的に微妙にふわふわしていて結局何者なのかが分からなかった、、、){/netabare}
[作画など技術関係]
最初3Dメインのアニメとわかった時伊藤監督は思いきったことをしたなと思った。毎月何本もアニメ映画がでてる今の時代にとって、取っつきにくい3Dアニメをやるのはすごい勇気だと思う。
ただ、実際に映画館で見て3Dである意味を理解した。確かにこれは3Dでなくてはいけない。
むしろ3Dであることによって作品のリアリティ感と非現実感の中間がうまい具合に演出されていた。
これこそこれからのアニメの1つの形であろう。
3D映像に関してはいい意味でまたやってくれたなグラフィニカという感じ
最近だとグリッドマンを始めガルパンの最初の劇場版など毎回グラフィニカの3Dには驚かされる。
グラフィニカは日本アニメの3Dの先陣を切っているうちの1つと言っていいだろう。
[音楽]
ここまで大分長くなってしまったが、今のアニメ映画を語るのであれば音楽の点も語らねばならないと思う。
『君の名は』を始め、『君の膵臓を食べたい』など最近のオリジナルアニメは主題歌だけでなく劇伴などもメインアーティストが作曲することが多い。
このHELLO WORLDという作品もそのうちの一つであろう。
主題歌は今流行りのOfficial髭男dismと芸人の浜田雅功の息子がベースをやっていることで有名なOKAMOTO'S、そしてこの映画を見るまでは自分はしらなかったNulbarich(あとでこのアーティストの曲をいくつか聞いてみたがとても気持ちのいいエモい曲ばかりだったので是非みんなも聞いてほしい。)などなど
この複数のアーティストたちが作り上げた音楽はとても現代的だが、しっかりと作品をイメージを崩さず、しっかりと音楽という面で作品をささえていた。
映画音楽といえばオーケストレーションばかりを想像してしまいがちだがこのHELLO WORLDという作品においてはそれだけではなくデジタルの音をふんだんに混ぜるのことによって作品の濃さをさらに増幅させたと言えるだろう。
[最後に]
正直あまり期待はしていなかったHELLO WORLDだが久々に映画館で度肝を抜かれた。
アニメにはまだ色々な形があることを知った。
作品数の増加によって衰退していると言われている日本のアニメ
だが、日本にはまだアニメ界の先陣を切って挑戦してくれている人がいる。
この作品はそれを教えてくれた。
まだまだアニメは楽しめる。