STONE さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 3.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
正攻法の王道アイドルもの
原作は未読。
アイドルものだが、アイドルものと言うと「アイドルマスター」(以後、アイマスと表記)と
「ラブライブ!」(以後、ラブライブと表記)が確固たるステータスを築き上げているためか、
ストレートな後続作品は出にくい印象がある。
そのためか最近のアイドルものと言うとマッチョな魔法少女に変身したり、性転換したやくざが
アイドルやっていたり、ゾンビがアイドルやったりと変則的な印象が強い。
あるいは中の人と連動していくメディアミックス的なものだとアイドルという部分がバンドや
ミュージカル俳優になったりみたいな。
そんな中、本作は思っていた以上にオーソドックスで正攻法な内容に少々驚いた。
設定自体はラブライブを思わせるものだし、主人公である式宮 舞菜の姉や本校を巡る
展開などは「咲-Saki-」や「ガールズ&パンツァー」を思い出したりと、正直なところ
既出作品との類似性は否めないような内容で、オリジナリティは弱い感がある。
しかし、キャラはKiRaReのメンバーを中心によく立っており、かなり魅力的。
ちなみに姉の碧音に関しては最後は舞菜を見守る良い姉で終わっていたが、途中までは
サイコがかっていて、それはそれで面白かった。
メイングループであるKiRaReが舞菜と月坂 紗由から始まり、一人づつメンバーが増えていく
展開も王道的展開だが、多くのメンバーがアイドルになる夢を一度諦めてからの
再チャレンジである点がこの作品の個性といったところ。
タイトルの「Re:ステージ!」はそういうことかと納得。
他のグループも幾つか登場するが、Stellamarisとortensia以外はとりあえず
出してみましたみたいな感じ。
メディアミックス作品だけに他メディアだともっと出番があるのかもしれないが、1クール
アニメでKiRaRe中心の展開だとしょうがないか。
ストーリーは基本的にはシリアスなものだが、あまりマイナス要素は引っ張らずにほどほどに
留め、随所に随所にコメディ要素を入れることで全体の雰囲気は明るいもの終始している。
この笑いの部分も結構センスが良い印象で、これに関しては柊 かえの存在が非常に
大きかったんじゃないかと。
そして、何より印象深かったのが歌とダンスのシーンで、最近の作品の中では手描き要素が
大半だったのにはかなり驚かされた。
おそらく実際の人間の動きをトレースしたのだろうとは思うが、それにしたって凄い。
こういったシーンは作画だけでなく、構図を始めとする内容自体も良かった。
音楽ものゆえの肝である楽曲も割といい感じだったし。
正直、あまり話題にはなっていなかった感があるが、個人的にはこれだけ良く出来た作品が
話題にならないのが不思議だった。
まあテレビ放映時は放映媒体が少なかったみたいだし、キャラデザインもデフォルメ感が強く、
人を選びそうなきらいは感じる。
あとオーソドックスゆえに特異点がなく、それが引っ掛かりの弱さに繋がっているのかなとも
思ったり。自分も第1話は舞菜と紗由のダンスシーンまではあまりピンと来ておらず、
「これは1話切りかな」とぐらいに思っていたし。
KiRaReが通う私立稀星学園高尾校中等部普通科だが、高尾にあるということで、高尾の自然
溢れる情景がいい感じでした。
2019/10/07
2024/02/12 加筆・修正