Ka-ZZ(★) さんの感想・評価
4.1
物語 : 3.5
作画 : 4.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
「これで勝ったと思うなよ~っ!」
この作品の原作は未読です。
きらら系作品のアニメって本当に久々です。
これまで毎期ほぼ必ずと言っても過言では無いほど放送されていたのに…
きらら系の前作はアニマエール…2018年秋アニメで放送された作品なので、実に1年振りということになります。
ですので、期待値MAXで視聴に臨んでしまいましたよ…
それは、きらら系の作品であることも要因の一つなんですが、小原好美さん、鬼頭明里さん、高橋未奈美さんらが出演されると知ったのがもう一つの要因です。
特に小原さん…月がきれいの水野茜に始まり、魔法陣グルグルのククリや、かぐや様は告らせたいの藤原書記など、柔らかくて優しい声質がとても心地良いんですよね~
ある朝突然闇の力に目覚めた
女子高生・吉田優子は
一族にかけられた呪いをとくため
魔法少女を倒すことになってしまった!!
だけど相手は命の恩人!?
そもそも全く勝てそうにない!?
ポンコツ系庶民派まぞくと
クール系筋トレ魔法少女が織りなす
日常系マジカルコメディー
はじまります!!!
公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。
15歳のある朝、突然闇の一族の力に目覚めて角としっぽが生えて、一族にかけられた呪いを解くために魔法少女を倒さなければいけないなんて設定が面白過ぎです。
しかも魔族としての活動名「シャドウミストレス優子」が、呼び辛いという理由だけで「シャミ子」と略されるなんて…
そんな感じなので、肝心の「まぞく vs 魔法少女」の戦いはグダグダそのもの…
そもそも戦いらしい戦いなんて、ただの一度も無かったのでは無いでしょうか。
それもその筈…
何故なら魔法少女である桃とスペックを比べると、シャミ子はあまりにも頭と体力が非力なんです。
シャミ子が変わったのは角としっぽが生えたという見た目だけ…
それでも魔族として挑み続けなければいけない運命を背負ったシャミ子は何とか一矢報いようと、あの手この手で桃に迫るのですが、どうも歯車がうまく噛み合いません。
ですが完走して振り返ってみると、この噛み合わない感じが実は噛み合っていたんだと思います。
この作品にだれもガチの魔法少女の攻防を見たい訳ではありません。
「これで勝ったと思うなよ」というシャミ子の捨て台詞が、このゆる~い感じを助長します。
それに、シャミ子は全てのスペックが底辺…という訳では無いのです。
少なくても女子力については、桃より数段上手だったと思います。
それに相手を思いやる気持ち…これはお互いにほぼ互角と言っても良いでしょう。
シャミ子は「空のおとしもの」のキャラに例えると、近接戦闘能力を奪われたアストレア…
さしずめ魔法少女の桃はイカロスといったところでしょうか。
そんな事を考えながら視聴を続けてきましたが物語の終盤…
桃の感情はそこまでポンコツじゃ無かったことが発覚するんです。
桃がシャミ子の母親から聞いた話をどの様に受け止めたか、桃の態度を見たら一目瞭然です。
きっとこれまでのグダグダな関係を少なくても桃は嫌いじゃ無かったんだと思います。
確かにシャミ子と桃は魔族と魔法少女という真逆な立ち位置の存在です。
それでも、桃は十分過ぎるくらい分かっているだと思います。
シャミ子が闇落ちした魔族では無いことを…
もし真逆な立ち位置の関係じゃなかったら、親友になっていたかもしれません。
それなのに、あの桃の咄嗟の仕草…
きっとあれしか出来なかったんだと思います。
ポロっと桃の口から零れた一言から、桃の受け止め方が痛いくらい伝わってきました。
こうして物語はシャミ子の優しさ溢れる感動のフィナーレへと繋がっていきます。
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。
オープニングテーマは、シャミ子と桃による「町かどタンジェント」
エンディングテーマは、コーロまちカド[シャミ子、桃、リリス、ミカンによる「よいまちカンターレ」
1クール全12話の物語でした。
久々のきらら系作品は会心の面白さだったのではないでしょうか。
しっかり堪能させて頂きました。