Ka-ZZ(★) さんの感想・評価
4.4
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
絶望を断つ刃となれ…
この作品の原作は未読です。
今期の作品の中ではトップクラスの面白さだったと思います。
流石週刊少年ジャンプの作品だけありますね。
時は大正、日本。炭を売る心優しき少年・炭治郎は、
ある日鬼に家族を皆殺しにされてしまう。
さらに唯一生き残った妹の禰豆子は鬼に変貌してしまった。
絶望的な現実に打ちのめされる炭治郎だったが、
妹を人間に戻し、家族を殺した鬼を討つため、
"鬼狩り"の道を進む決意をする。
人と鬼とが織りなす哀しき兄妹の物語が、今、始まる…!
公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。
物語当初、炭治郎は齢13歳で禰豆子は12歳…
この先の将来を背負うにはあまりにも幼過ぎです。
しかも歩むべき道は、ただの平坦な道ではありません。
鬼になった禰豆子を人間に戻すという途方もないことに挑戦し続ける道なんです。
きっと道らしい道なんてどこにも無いのだと思います。
心が折れてもおかしくありません。
いえ、普通なら心が折れてジ・エンドが妥当な路線かと思います。
加えて二人がいきなり遭遇したのが鬼殺隊の富岡義勇なんですから…
文字通り鬼を殺すことを生業とした剣士です。
富岡義勇の目に映っているのは、人間の炭治郎と鬼の禰豆子…
富岡が取るべき行動は最初から決まっていました。
この時に禰豆子ちゃんが1話でまさかの脱落…て事が脳裏をよぎりました。
原作既読組の方はそんなこと無いと思いますが、原作未視聴組の前にはあらゆる可能性が潜んでいますから…
奇跡って頑張っている人のところに舞い降りてくるものだと思っています。
だから禰豆子は本当に頑張り屋さんだと思います。
もちろん炭治郎だって精一杯頑張っていると思います。
だから炭治郎の廻りでも奇跡めいた出来事がちょいちょい起こっている訳ですが…
禰豆子の頑張りとは根本的な質が違うんです。
炭治郎はどんなに頑張っても人間である範疇…枠からはみ出すことはできません。
ですが禰豆子に求められている頑張りは、枠からはみ出すことでしか成し得ないことなんです。
今の禰豆子は残念ながら枠からはみ出さない…はみ出せないうちは鬼でしかないんです。
でも鬼でいるということは、人間を喰らうということ…
そして一度でも手を染めてしまったら…二度と還ってこれなくなるということ…
だから禰豆子は自分で自分の本質を捻じ曲げ続けなきゃいけないんです。
これがどんなに辛いことなのか、きっと想像すらできないのだと思います。
二人は沢山の人に出会いました。
鱗滝さんにはどれだけの恩義を受けたか分かりません…
最終選抜を終えた傷だらけの炭治郎を出迎えたのは…
こんなにも清らしくて尊い涙…どれだけこの一瞬を待ちわびたのかが手に取るように分かります。
炭治郎を一回り成長させてくれた錆兎と真菰…
最終選抜まで生き残った同期の仲間たち…
ピンチのところを救ってくれた珠世さんと愈史郎…
常に笑顔を絶やさない柱の一人、胡蝶しのぶは独特の香りがしましたね
そして訓練に付き合ってくれた同期の栗花落カナヲ…
誰か一人でも欠けていたら、きっと二人はこの場所には立っていなかったでしょう。
二人は沢山の鬼とも遭遇しました。
鬼舞辻無惨を筆頭に、手鬼、矢琶羽・朱紗丸コンビや、家族ごっこに明け暮れる鬼など、鬼も多種多様であることが分かりました。
これから、鬼との争いはもっと熾烈になると思います。
でも、炭治郎と禰豆子には初心を全うして欲しいと願っています。
オープニングテーマは、LiSAさんの「紅蓮華」
エンディングテーマは、FictionJunction feat. LiSAさんの「from the edge」
挿入歌は、椎名豪 featuring 中川奈美さんの「竈門炭治郎のうた」
オープニングはアニメとの相性も抜群で、毎回欠かさず視聴していました。
エンディングも格好良いです。発売が決まった時には嬉しかったですね。
そして挿入歌…炭治郎と禰豆子の進化にマッチさせるなんて、流れるタイミングが抜群過ぎです。
2クール全26話の物語でした。
骨太なストーリーと、個性溢れる登場人物…
何より手をしっかり繋いだ炭治郎と禰豆子は、どこまでも応援したくなりました。
今回のアニメは、既刊16巻のうち6巻まで使って制作されました。
そして劇場版アニメとして公開される「無限列車編」は原作の7,8巻に当たるようです。
きっと原作を忠実に再現してくれているのでしょう。
2クールで既刊6巻分ですから、原作2巻分を使って劇場版に宛てるのは、これまでの流れ的におかしく無いと思います。
何より劇場版を終えたとしても、まだ原作のストックが8巻も残っているんです。
ラストまで描かれる作品となることを願っています。