Ka-ZZ（★） さんの感想・評価
4.3
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態：観終わった
今度の物語の舞台は、欲望と喜悦が渦巻くオラリオの夜の街…
この作品の原作は未読ですが、1期、外伝と劇場版「オリオンの矢」は視聴済です。
ダンジョンの中で出会いを望んでいる冒険者は、実際にこれまで見たことはありませんが、まだ物語とタイトルのズレを気にする段階でもないのでしょう。
ダンジョンは冒険者にとって唯一無二の場所だと思っていました。
生きるため…
自分を鍛えるため…
ファミリアのため…
冒険者やサポーターは、潜る理由を探してダンジョンにその身を投入する…
だから冒険者、の戦場はダンジョンの中ばかりと思っていましたが、この作品では、そんな幻想を根本から否定してくるんです。
みんなの住むオラリオ自体が時として戦場になること…
それを思い知る作品だったのではないでしょうか。
世界で最も熱き都市であるオラリオを彩る、
もうひとつの顔…大歓楽街。
欲望を喜悦が渦巻き、
肉食獣の如くアマゾネスの戦闘娼婦（バーベラ）が
跋扈する『夜の街』。
ひょんなことから、そんな場所に
迷い込んでしまったベル。
右も左も分からぬまま、美しき狐人（ルナール）の娼婦と出会う。
その出会いこそが、ベルを更なる騒乱へ
誘うことになろうとは露ほども知らずに…
公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。
「神様は退屈している…だから刺激や娯楽を求めている」
正直最初は何のことやら皆目見当が付きませんでした。
神ヘスティアはバイトに明け暮れる日々ですし、神ヘファイストスや神タケミカヅチだって忙しそうにしています。
確かに1期では色めく噂があっという間に広まり、神様がその噂に一斉に食い付くシーンがありましたが、まぁ、あれなら人間界でも…
と思う程度でしたが、神様の欲は私の想像より遥かに深かった…が今回思い知ったことです。
そして神様は欲望を満足させるためにあらゆる手段を惜しみません。
それは策略とも謀略とも取れる類のモノ…
そして物語はファミリア同士の争いにまで発展するんです。
時に遊戯であったり…
そして時には神さま同士の本気の潰し合いにまで発展することも…
正直冒険者が戦うのはダンジョンだけで十分なんじゃ…と思ってしまいます。
でも、救える希望を拾ったのも事実ですし、ダンジョンの中では絶対成し得ないことだったと思います。
ですが、本来ダンジョンの中で遭遇するモンスターに奮う力を冒険者に使っては駄目だと思うんです。
今は力でしか解決できないのかもしれない…
でも、いつかきっと違う解決方法が見出される日が来ることを願ってやみません。
今期の物語は大きく3つ。
最初はアポロンに見初められたベルを巡る戦争遊戯の物語。
知りませんでしたが、アポロンが見初める相手の性別は不問なんだそうです。
次に、極東出身である命の幼馴染にまつわる物語。
幼い頃に憧れ、その胸を熱くさせた英雄譚は、夢幻かそれとも…
背中を押す一言の重みと発する勇気をビンビンに感じる展開が待っています。
最後は少し変化球っぽい感じの物語。
これまではダンジョン、ファミリアとオラリオ内で終始する物語ばかりでしたが、オラリオの外にだって世界は広がっています。
偶然がピンチを呼び込みましたが、外の世界との繋がりを感じる物語です。
そして物語に寄り添っていたテーマが「神と人との在り方」でした。
神さまと人は揺れ動く感情を持っています。
そして神と眷属は強い絆で結ばれているのですが、「強い絆」の在り方は決して一つではありません。
きっと神と眷属との間で結ばれた絆の数だけ異なる在り方が存在しているんだと思います。
だから、この設問にはきっと明確な答えは無いんです。
どんな形であれ、神と眷属が一番自分らしく、そして気持ち良くいられる形がお互いにとってのベストなんだと思います。
きっと不安の方が大きくて、どれだけ望んでも希望的観測の域を脱しないのはきっとお互い知っているだと思います。
神さまだって万能じゃないんですから…
だから、神ヘスティアとベル君がこれからどんな関係を築いていくかが楽しみです。
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。
オープニングテーマは、いぐっちゃんの「HELLO to DREAM」
エンディングテーマは、sora tob sakanaさんの「ささやかな祝祭」
1クール全12話の物語でした。
しかし、この作品は余念がありませんよね。
既に3期に加えてOVAの準備までしていたなんて…
どう表現して良いか分からない程嬉しいんですけどっ。
OVAは2020年の1月に発売、3期は2020年の夏放送予定とのこと。
今から1年…と考えると長く感じますが、きっとあっという間なんだと思います。
3期のこのクオリティが維持されることを期待しています。
