STONE さんの感想・評価
3.7
物語 : 3.5
作画 : 3.5
声優 : 4.5
音楽 : 3.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
岡田 麿里らしい題材
原作は未読。
思春期の性への悩みや好奇心を扱った作品は男性主体のものが多く、本作のような女性主体の
作品は割と珍しいかも。
文芸部の5人の少女の性に対する葛藤が描かれるが、精神的なものを高尚なものとして捉え、
それに対比するかのように肉体的な部分はそれより下に見てしまうのは、文芸部らしいと
いうか。。。
もっとも性の捉え方やそれに伴う自身の状況は5人それぞれ異なっており、このバラエティ
感が面白い。
とは言え、その描かれ方の深度に差があり、小野寺 和紗と菅原 新菜の問題に関わる典元 泉の
ように、二人のヒロインに対する男性側の事情を披露するようなケースもあれば、
須藤 百々子との絡みで登場する杉本 悟のように舞台装置に過ぎないようなケースも。
あと性への問題を謳っている作品だが、実際の性的行為(セックスそのものでなくとも)に至る
者が皆無だったのも意外と言えば意外。
そういう点ではあくまで観念的性問題で終わってしまっていた感も。
数々のアニメ脚本を手掛ける原作者の岡田 麿里氏だが、元々性的と言うか、ある種の
生々しさを感じるような作品が多く、そういう意味では本領発揮という印象の題材。
個人的には割と作風が好きな人で、話の広げ方は見事だなと思うことが多々。本作も序盤は
本当に勢いを感じる。
ただ過去作品を観ると話を広げたまま終わってしまったり、終盤無理矢理押し込んで終わらせる
ことが多い感もあり、本作の締め方も後者の印象がある。
もっともこの押し込んだ感じがドタバタコメディとしての面白さを引き出していたとも
言えそうだし、10代のモヤモヤした悩みは最後の大暴れ?で発散させたことで解決という
流れは、ある意味説得力があったりもする。
青春ものという人間ドラマとしてはもっと話数を取ってじっくり観たかったが、2クールだと
中だるみしそうな感もある。
キャストでは本郷 ひと葉役の黒沢 ともよ氏、これまで演じてきたタイプとはまた異なる役柄で
印象に残った。なんか新井 里美を思わせるような感じ。
2019/09/26
2024/06/02 加筆・修正