ツークツワンク さんの感想・評価
3.2
物語 : 2.5
作画 : 4.0
声優 : 3.0
音楽 : 4.5
キャラ : 2.0
状態:観終わった
DTの妄想ストーリー
主人公は他人に関心の無いクラス内カーストも見たところ底辺のコミュ障。
そんな彼が病院で偶然日記帳を拾ったことから、持ち主の美人で性格良しの女性と交際を始めるが彼女の余命は残り少なかった……
「世界の中心で愛を叫ぶ」を知ってる世代もだいたいアラサーなのかな
ということでこのような作品が何年か周期で若者の間でブームになるのは分からなくもない
世間一般の人達は先行して作られた実写版の方で消化してるからわざわざアニメ版を見るのはアニオタくらいかと思いきや「君の名」効果で割と視聴している一般人も多かったりするのが意外
主題歌、挿入歌、エンディングも「君の名」を見習ったのか滅茶苦茶良いし、キャラデザもこれまた一般人に受けるようにアニメアニメしてない感じのオシャレな感じに仕上がっている
閑話休題で、冒頭がヒロインの葬式シーンから始まって出落ち感半端ないが、最後の最後で葬式ぶっこまれるよりは先に消化してくれた方が自分としては良いかなと思う
日記帳を拾ったことからコミュ障が美人と付き合うというDTの妄想を描いたようなストーリー展開に身もだえしながらも、テンプレの旅行(ホテルで一緒の部屋に泊まる)やなんやかんやイベントを挟みつつ、最後はやっぱり定番の花火を一緒に見てヒロインは通り魔に殺されておしまい
映画という尺の都合もあるのだろうけど、全体的にキャラの魅力があんまり描けていないというか。ヒロインは可愛いんだけどそこにひたすら萌えるような作品ってわけでもないんですよねこれ
コミュ症主人公に魅力を感じるシーンが一つもない
サブキャラの中でガム君だけは主人公の変化も描けていて良かったかなって思うんだけど、ヒロインの友人&元カレが単なる障害物にしかなっていなくて残念
元カレが通り魔だったら面白かったかもしれない
初回は友人が単なるヒステリー気味のキャラかと思いきや、2回見直すとコミュ障主人公の対応もかなり問題だったりで余計に主人公が嫌いになりそう
物語はキャッキャウフフしている場面が多く、病人だから食事のシーンとかで病弱なんですよアピールしたりとか、病院で苦しんでいるシーンを加えた方が良かったのではないかと思う
唯一病人らしいシーンが鞄の中の大量の薬と注射というね
膵臓やられてそれだけの薬飲んでる奴が酒呑んだら即死しそう
そこら辺の描写が薄いせいか死生観について考えさせられることもあまりなく、冒頭の葬式は病気で死んだ!と思わせて実は通り魔に殺されたんですよ!
なんてどんでん返しにもならないようなことされてもなぁという感想
病気とか関係なく人は死ぬタイミングを選べませんよ全力で生きましょうってことや命の儚さや死の理不尽さを伝えたいのかなってのは分かるのだけれども
最後のエンディングロール前も素直にコミュ障卒業した主人公と友人が和解
でエンディングロール終わったら墓参りで良かったんじゃないのかなこれ
そこでエンディング入るんかいって終わり方していて、えって思ってしまった
音楽、キャラデザは良かったので雰囲気で押し切ったという作品に感じてしまう